ダンサーネーム:Infinity Twiggz

レペゼン:Twiggz Fam /
FULLCAST RAISERZ

ジャンル:KRUMP

KRUMPアーティスト集団『Twiggz Fam』の一員として活動しながら、
DANCE ALIVEにてKRUMP史上3人目のファイナリストになるなど、バトラーとしても活躍。

2020年には社会人から一転、Dリーグ『FULLCAST RAISERZ』としても活動をスタート。
KRUMPのエナジーと多彩な表現を武器に、2年連続でクライマックスシリーズ出場を成し遂げるなど、
個人、チーム双方において進化を続けるInfinity Twiggzさん。

今回のインタビューではInfinity Twiggzさんがダンスを始め、わずか1年でTwiggz Famの一員になるまでのストーリーから、
Dリーグの参戦を決めた理由と、その活躍の裏にある考え方、
そしてKRUMPシーンのみならずダンスシーン全体の活性を目指す今後の展望にもフォーカスを当てる。

ー今回REELで踊っていただきありがとうございました!
踊る時に意識したことなどはありますか?

ありがとうございました!
まずはKRUMPならではのベーシック、ストンプ、チェスト、アームスなどはもちろん、
表情やストーリー性を大事にエナジーを繋げてフィニッシュまで持っていくことは意識しました。

あとはエナジーに負けないくらい、繊細な音の取り方がKRUMPでもできることを示したいと思っていて、
リリックと他の音を聴き分けることはもちろん、トーク(リリックを口で言う)などの魅せ方は日頃から大事にしてます。

ー確かにパワフルさはもちろん音取りや全体を通しての緩急など多彩な表現が素晴らしかったです!
今回の踊りで注目して欲しいポイントも教えて欲しいです。

まずは今どこにエネルギーが溜まってるかというストーリーを意識して踊ったのでそこですね。
例えばエネルギーをウェーブで通したり、投げて掴んだり、目で追ったり、そういう視点で見てもらえると面白いと思います。

あとは後半に体を後ろに沿っていく動きがあるんですけど、
多分他のジャンルだと溜めたものを最後、前にやるのが一般的だと思うんです。
でもKRUMPではP(Praise)が神様への賞賛を表していて、その意味を込めて前じゃなくて上(天)に溜めたものを出すっていうことが、KRUMPの流れとしてあります。
今回は溜めたものを上に出すように仰け反って後ろに下がっていくので、そういうKRUMPならではの背景を知って見てもらえれば嬉しいです。

ーKRUMPならではの表現ですごく新鮮でした。
そもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?

高校までずっと野球をやってて、大学入って新しいことをしたいと思って、ダンスサークルに入りました。

そこでKRUMPをやってる先輩がいて、最初はHIPHOPとKRUMPを並行してやってました。

ー大学生からなんですね!
外部に出るきっかけなどはありましたか?

自分の先輩がTwiggz Famの直系のファムに所属していたので、
1年生の夏頃にその先輩にレッスンに連れていってもらったのが最初ですね。

特に自分はKTRさん(当時のTwin Twiggzさん)のスタイルがすごく好きだったので、
レッスンに通い続けて親しくなって、KTRさんのファムに入らせてもらったんです。

ーTwiggz Famにもかなり早い段階で加入したとお聞きしました。

KTRさんがTwiggz Famを退団したタイミングで、次のメンバーとしてお声掛けいただきました。

それでKRUMPにはPACK OUTっていう伝統行事がありまして、
自分 VS Twiggz Famのメンバー全員でセッションを永遠にやり続けるんです笑

それで晴れてメンバーの一員になることができて、Infinity Twiggzという名前をリーダーのJunさんから頂きました。
その時が大学2年生になるくらいでしたね。

ーKRUMPを始めて1年で日本トップのチームに入るのは凄すぎますね笑

当時は最速でしたね笑
元々厳しい体育会にいたのでその精神でめちゃくちゃ練習してましたからね。

でもTwiggz Famに入るのはただダンスが上手くてもダメで、
KRUMPのカルチャーをしっかり理解して、KRUMPをどう伝えていくかまで考えられてないといけないので、
メンバーとして認められたのは本当に嬉しかったです。

DSC00306

ーTwiggz Famではどういった活動をしているんでしょうか?

クランパーの先頭に立ってシーンを盛り上げること、そして裾野を広げる活動は常に意識してやってます。

今は、KOB(KING OF BUCK)というKURMPの日本一大きな大会の運営と、
DリーグFULLCAST RAISERZでの活動がメインですね。

KOBはDANCE ALIVEのようなシステムで、年内の予選を通して年末にファイナルをやります。
今年で13回目で10周年のイベントでは世界各地で予選をやって、優勝者を全員日本に呼んで世界大会もやりました。
KRUMPの創始者でもあるTighteyexにジャッジをしてもらったりすごい熱いイベントでしたね。

KING OF BUCK 10th Anniversary World Cup 2019

ートップのFamに入ってダンサーとして順風満帆にも感じますが、一度ご就職もされてますよね?

そうですね。
新卒で就職するっていう経験ってその時だけしかできないですし、
就職したらダンスが疎かになるって固定観念に疑問もあったので、一度就職を選択しました。

実際、社会人になってからも常にダンスで食べて行けるように意識して、
休みの日は必ずイベントに参加して、有給を取って世界大会に行ったりもしてました。

大会に出て成績を残しても「社会人なのに凄い」って言われるのが嫌だったので、働いてると思わせないくらいダンサーの生活をするように心がけてましたし、実際話すと驚かれることも多かったですね。

ー会社員をしながらというのは、Twiggz Famの中では珍しいのではないでしょうか?

もちろんこれまであまり事例がなかったんですけど、社会人でもどんどんヤバくなっていく姿を見せることで、
下の世代でも就職してライフスタイルとしてKRUMPを楽しむ人が増えてきたんです。

自分が第一線で活躍してそういう環境を作れたのが自分の中では良かったと思います。

ー新しい道を切り開く姿勢素晴らしいです。
その後退職をしたのはDリーグがきっかけでしょうか?

そうですね。
Dリーグの話が来て、ちょうどコロナが流行り始めたのもあって、
社会人という立場も安定しないと思っていた時期でした。

それにこのチャンスで挑戦しないのは、絶対に後悔すると思って覚悟を決めましたね。

ーDリーグのお話もお聞きしたくて、FULLCAST RAISERZの魅力はどんなところでしょう?

メンバーはほぼTwiggz Famのメンバーで、KRUMPのエナジーを武器に色んな表現で作品を作っています。

あとは肉体美が売りですね笑
Dリーグができたことで、ダンサーに明確なプロの定義ができたと思います。
その時に他のプロアスリート同様「これはプロだね」って言われるような肉体を作ることがまずは大事だと思って、トレーニングや食事制限などは心がけてますね。

ーいつも惚れ惚れして見ていたんですがそういった背景があったんですね笑
成績もレギュラーシーズンにおいて去年は1位今年は2位と凄まじいご活躍ですよね。
作品作りで意識していることはあるんでしょうか?

動きというよりはストーリーありきで作るようにしてますね。

まずはJUNさんがテーマやコンセプトを設定して、それから起承転結を作ります。
特に導入とオチは大事にしてて、最初から終わりにかけて徐々に上がってフィニッシュまで行くこと。
クランパーは音と動きだけでなく常にムーヴの中でストーリー性を意識してるのでそこが作品作りにも生かされてると思います。

Dリーグならではの魅せ方だと、入場の段階から作品が始まってると思うのでそこで空気感を作ることも大事にしてます。

確かにRAISERZが出てくると空気が変わる感じがあります。
Infinity Twiggzさんの中で思い入れのあるショーはありますか?

21-22シーズンROUND3の社会人を題材にした作品で、
自分が主役になって、初めて丸々作品を作らせてもらいました。

これまでフリースタイルで培ってきたミュージカリティーとKRUMPの要素を混ぜて、
ラストでは仲間に連れられて仕事を辞めDリーグに向かうのと、ハードワークをしすぎないようにっていう二つの意味を込めてます。

プレッシャーもすごかったですが無事1位を取ることができて、
自分の人生を投影した作品なのでまたあれを作れって言われると難しいくらいの力作ですね。

【Dリーグ】ROUND.3 FULLCAST RAISERZ

ー音の取り方がどこを取ってもカッコいいですね。
10月2日から次のシーズンが始まりますが、意気込みをお伺いしたいです。

最後の最後で勝ちきれなくて本当に悔しい想いをしたので、とにかく優勝しか見てないですね。

来シーズンからはBBOYのREOとTrickingのNAOが契約満了で退団してしまうので、クランパーだけになってしまいます。
なので今後は違うジャンルを取り入れたり、これまで以上に新しい見せ方にも挑戦していく予定なので楽しみにしててください。

あとは何よりもDリーグ自体が盛り上がらないと意味がないと思うので、
Dリーグを知ってもらうための発信や活動もやっていきたいと思ってます。

スクリーンショット 2022-08-23 19.30.01

ーシーン全体も常に考えていてさすがです。
個人としての展望もあればお伺いしたいです!

まずはKRUMPで他のジャンルの人と同等に渡り合うことは常に考えているので、そこはブレずにやっていきます。

あとはダンサーとして一流になるためにもダンスに関わることはなんでも挑戦していきたいですね。
今は特に振り付けのお仕事やSNSの発信に力を入れていて、最近大きな振り付けの案件も入ってきたので、ここからさらに広げていきたいですね。

ーありがとうございました!
更なるご活躍を楽しみにしてます!