CHIHIRO
-Anthology. /
LIFULL ALT-RHYTHM
-WAACK

愛知出身。8歳よりダンスを始め、様々なストリートダンスを学ぶ。
本格的にWAACKを学ぶ為、18歳で拠点を大阪に移し、国内外様々なバトルやコンテストに出場し結果を残す。

また、次世代のキッズダンサーの育成をしながら、コンテストやバトルのジャッジも務め、
チームではAnthology.として、2年連続Japan Dance Delightファイナリストとなる。

現在は上京し、D.LEAGUE「LIFULL ALT-RHYHM」のメンバーとしても活動するCHIHIROさん。

今回のインタビューでは環境を変える度に新たな価値観と出逢い、現在のスタイルへと行き着いたこれまでの半生。

さらに新たな挑戦の場となったDリーグのお話など、今後さらなるご活躍が期待されるCHIHIROさんの現在に迫る。

『音楽のイメージやカラー、歌詞の意味などまで噛み砕いてダンスに落とし込む』

ー今回REELで踊っていただきありがとうございます! 日頃から踊る時に意識してることはありますか?

ありがとうございました! 意識してることとしては、音楽をしっかり聴いて噛み砕いて表現していくことですね。

音に動きを合わせるだけでなく、音楽のイメージやカラー、歌詞の意味なども噛み砕いて、ダンスに乗せて共有する意識は大事にしてます。

ーダンスの表現力を上げるにはそういった意識も必要なんですね。

特に今回の曲は、自分がインストラクターとして初めてキッズのチームを組んで、その振り付けで使った思い入れのある曲で、
紙にどんな音があるか、それがどう構成されているかなどを書き出したりして、かなり聴き込みました。

あとWAACKはボーカルの部分を表現することが多いんですが、この曲はボーカルがないんです。
でも今なら違うアプローチの仕方で音楽を表現できるんじゃないかなと思って、挑戦の意味も込めて選びました。

ー今回のダンス(REEL)の見所もあれば教えて欲しいです。

私は腕を使って魅せるのが好きで、体のグルーヴを腕に持っていって、動かし方の質感を変えるのを曲に合わせてやってるのでそこですかね。

あとは、曲の緩急と自分の気持ちの緩急をしっかりつけることですね。
自分が先走っても遅れてもよくなくて、そこをうまくマッチさせてアウトプットすることは意識しました。

『WAACKは自己表現がしやすいジャンル』

ーここからはCHIHIROさんのダンス人生にフォーカスしてお話を伺いたいのですが、まずはご自身の中でここで踊り方や価値観が変わったという、3つの転換点を教えて頂きたいです。

一つ目は、それまでコンテスト中心だったのが、中1の終わり頃にスタジオを移って、そこで初めてフリースタイルで踊る楽しさを知ったことです。

二つ目は、高校1年生の時に、大阪に行って初めて生でWAACKを見て衝撃を受けてたことで、
そこからWAACKを始めました。

三つ目は、Dリーグを機に、8年住んだ大阪から上京して東京に来たことですね。

ーありがとうございます。その3つを軸に質問していきますね。 まずはそもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?

一応幼稚園の時にエアロビクスの体験があってそこで凄い踊ってたらしいです笑

本格的に初めたのは小学校2年生の時で、
地元の公園で踊ってるダンサーを見て、私もダンスやりたい!と言ってダンススタジオに通い始めました。

ー最初はどんなジャンルを踊っていたんでしょう?

そこのスタジオはストリートダンスのつもりでやってたんですけど、今思うとオレンジレンジの曲で振り付けを踊るみたいな感じで、
楽しかったんですけどかなり雰囲気は違ったかもしれません笑

そこで1年やったくらいで、同じ場所でLOCKとBREAKをやってるスタジオがあって、それを見てこれやりたい!ってなったんです。

ーなるほど笑 それでスタジオを移って、ストリートダンスにのめり込んでいったと。

そうですね。
名古屋の「Dance Studio FORCE」というところでLOCKとBREAKをやってました。

その後にHIPHOPやPOP、HOUSEなどもやり始めました。

ー転換点の一つ目ですが、最初にコンテストに出てたのもそのスタジオですか?

そうですね。
チームがあって先生に振り入れをしてもらって、キッズ時代はコンテストに沢山出てました。

ー中1の終わり頃に違うスタジオに移ったきっかけはなんだったんでしょう?

部活と受験ですね。

中学は必ず部活に入らないと行けないルールで、部活が終わってからスタジオに行くんですが、
スタジオも車で1時間半くらいの遠いところだったんです。

それで受験勉強の時間が取れなくて、ただダンスを辞める選択肢は自分の中に無かったので、じゃあ地元のスタジオに移ろうかってなりました。

ーなるほど。それで地元のスタジオでフリースタイルに出会うと。

そうですね。
「Studio U」というところで、オーナーのYou-Geeさんがフリースタイルを強化していく特別クラスを始めたタイミングで、お誘いいただいたんです。

ーそれでフリースタイルがしっくりきたんでしょうか?

いやー苦手でしたね笑

与えられた振りを踊るのが当たり前だったのでどう練習していいかわからないですし、何をどう踊ればいいのかもわからなくて、最初は怖かったです。

でもバトルに出た時に勝てて、それがすごい嬉しくて達成感も凄かったんです。
それからはバトルにハマっていきました。

ーそうだったんですね笑 当時はどんなジャンルをメインにしていたんでしょうか?

当時はPOPですね。今は全然踊れないんですが笑

ー二個目の転換点でWAACKとの出会いもその頃ですよね?

そうですね。

You-Geeさんと、大阪にいる私のWAACKの師匠でもあるNISHIさんが繋がってて、
それでWAACKを生で観てめっちゃカッコいい!ってなったんです。

それでWAACKを習いたいと思って、大阪の「dance studio MYSTER」に通うことになるんです。

ー当時はPOPをメインでやっていたと思うんですが、WAACKだ!ってなったきっかけもあるんでしょうか?

高1、2くらいで、POP、LOCK、WAACKのバトルを同時開催してる大会に出たんです。

もちろん当時はPOPがメインで出たんですけど、WAACKも少しやってるしせっかくならと思ってダブルエントリーしたんです。

それでPOPは予選落ちしてしまったんですけど、WAACKはどんどん勝ち上がって気づいたらBEST4まで行けて笑

そこでWAACK楽しい!ってなって完全にハマりましたね笑

ーすごい笑

人口も少ないから運良くってとこもあると思うんですけど、
WAACKは新しく始めたから、気楽に楽しもうみたいな雰囲気で行けたのが良かったのかなと思いますね。

ーそれが現在まで続いて、、今考えるとWAACKに求めてるポイントってあったりするのでしょうか?

そうですね、、自分は気持ちをオープンにすることが苦手で、緊張しいですし人見知りでもあったんです。

でもWAACKと出会ってから、踊ってる時は色んな人に変身できるというか笑

例えば自分が憧れてる人になりきってみたり、あるシーンを想像してその役に入りこんだり、
そうやって自己表現をできるのがWAACKの凄く好きな部分だと思います。

なので自分にとっては、WAACKが感情を外にアウトプットしたり、コミュニケーションをしたりが一番やりやすいジャンルですね。

ー面白いです。当時はどんな人に変身していたんでしょう?笑

始めた時はそれこそIBUKIちゃんですね。

WAACKの基礎はMYSTERでIBUKIちゃんから教わっていて、IBUKIちゃんみたいになりたい!って思って踊ってました。

あとは、カナダのEBONY(エボニー)というWAACKERがずっと好きです。

やってることが最先端で、EBONYならこういう感覚でこう踊るかなっていうのを妄想しながら当時は踊ったりしてましたね。

DSC01941

『仲間がいたからこそOLD SCHOOL NIGHTで優勝できた』

ーこれまでで印象に残ってるイベントやバトルなどがあれば教えて欲しいです。

個人で言うと二つあって、

一つ目は初海外で香港に行って、JUNKOOさんがジャッジの時に初優勝させてもらったことですね。

優勝できたことはもちろん嬉しかったのですが、
何よりも海外でダンスを踊って認めてもらえる、ダンスで会話できるってすごいことだなって思いました。

ーまさにダンスを通したコミュニケーションですね。

そうですね。
特に私は海外のダンサーさんとそのスタイルが凄く好きなので、
そこに自分の日本人らしさをミックスさせられたらもっとカッコ良く踊れるなって、次のステップも見えましたね。

ー素晴らしいです。

二つ目は、今年開催された「OLD SCHOOL NIGHT VOL.23」のWAACKING SIDEで優勝させてもらったことです。

去年はチームメイトが優勝して、自分も頑張らないと!と思ってOSNに向けて1年やってきたので、結果が出たのは本当に嬉しかったですね。

やっぱり自分一人だったらそこまで行けなかったと思うんです。
今年のOSNでは、チームメイトが全員、予選もトーナメントも上がってて、
メンバーのサポートや応援はもちろん、一緒にライバルとして切磋琢磨することができたから優勝を掴めたんだと思います。

"CHIHIRO vs Ta-Bo-" OLD SCHOOL NIGHT VOL.23_2022_WAACKING 1vs1 FINAL

ー大阪で組んでいる「Anthology.」ですね。

そうです。

本当にチーム活動が自分的には大きくて、まだ組んで2年目くらいなんですがそれぞれのバックボーンが違くて、
毎回いい意見のぶつかり合いで新しいものが生まれてます。

それで今年の「JAPAN DANCE DELIGHT VOL.28 FINAL」では準優勝することができました。

プレッシャーに押し潰れそうだったのですが、今回は声援がOKで、沢山の方からの応援がすごいパワーになっての結果でした。

WAACKをレペゼンして頂けた結果だったこともあり、今思い出しても泣けるくらい嬉しかったですね。

『早くみんなに観てほしかった開幕戦のショー』

ー素敵なお話です。三つ目の転換点について、現在はDリーグ「LIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)」のメンバーとしてもご活躍されてますが、JDD後すぐに開幕戦でしたよね?

そうですね。

当時Dリーグはオフシーズンでリハーサルも始まっていたんですが、 「9月のJDDにどうしても力を入れたいです、、」と無理を言ったら、

「それは絶対CHIHIROちゃんやアルトリの為にもなるだろうからそっち優先で頑張って!」と言って頂けて、

JDD終わって開幕戦の1週間前に上京しました。

ーそれは激動でしたね。アルトリは22-23シーズンから参加ということですが、お話をもらったタイミングはいつ頃だったんでしょう?

6月の頭くらいですね。 その1週間前くらいにcalinさんが大阪に来て一緒にお食事をしたんです。

ただその時は何もなく、1週間後に電話で「Dリーグ興味ないかな?」とcalinさんから言われて、

でもその時は見に行く方だと思って是非行きたいです!って言ったら、実はメンバーとして誘いたいとのことだったのでびっくりしました笑

プロのリーグで自分に声をかけて頂けるなんて凄く嬉しいと思って、すぐに「興味あります!」ってお返事しましたね。

ーそれはびっくりしますね笑 オーディションみたいなものもあったんですか?

「二つ動画送るからこの振りを覚えて動画送ってほしい」って言われて、それですぐに覚えて送ったんです。

その2日後くらいにcalinさんからテレビ電話がかかってきて、その後ろにディレクターのRyoさんとJunさんも神妙な面持ちで居て笑

すごく溜めてから「CHIHIROちゃん、、、合格!」って言って頂けました笑

ー晴れてメンバーに笑 calinさん以外は初対面でしたっけ?

そうですね。

でもcalinさんがいいっていうメンバーは絶対素敵な人達に違いない!って思ってて、
実際会ったら皆さん本当にあったかいし優しいし平和で、 あーアルトリに入って良かったなと思いましたね。

ー見てるだけでもその雰囲気は伝わってきます笑 チーム内でのCHIHIROさんのポジションはどう言ったところでしょう?

calinさんには、フォワード!攻めだよ!って言われました笑

まだ入ったばかりで模索中なんですが、とりあえずアルトリのPOWER MOVERを目指して頑張ります笑

ーCHIHIROさんの加入で新しいアルトリが見れそうです笑 開幕戦の手応えはいかがでしたか?

やりきった感じが強かったですね。 信頼できるメンバーがいるし怖いものないよなって思ってたのと、
「早く皆さんに観てほしい!」っていう気持ちが強くて、緊張はそんなになかったですね。

実際出し切れて最高に楽しかったですし、それで評価もいただけたのですごく自信に繋がりました。

ー自分も観させて頂いて本当に感動しました!短いショーではあるんですが展開が沢山あって、終わった後良いもの観たな〜という満足感が凄かったです笑 相当反響があったんじゃないですか?

ありがとうございます。
嬉しいことに本当に沢山ご連絡をいただきました。

個人的に今回はWAACKに寄った振りだったので、パワーや感情が表現しやすかったです。

今後やったことないスタイルにも挑戦すると思うので、それも上手く吸収して、同じように評価をもらえるように頑張りたいですね。

ー開幕戦のショーに関して、CHIHIROさんの中での見所も是非教えて頂きたいです。

三つあって、一つ目は55秒からで、机の上で4人でWAACKを踊るところですね。

4人とも違うタイプなのでそれぞれに注目して観ると面白いと思います。

Su-yangさんは、HIPHOPとかKRUMPがメインなんですが指先までこだわってて、筋肉凄いのにとてもしなやか。

NiKiちゃんは女性らしい中でも可愛い雰囲気、一方でcalinさんは言わずもがなの美しいダンス。

私としては座って踊るのがシルエット的にすごく難しかったんですけど、
そこでも同じ魅せ方ができるように頑張ってるので注目して観て欲しいですね。

二つ目は、1分55秒からのラスト斜めのユニゾンパート。

移動しながらの細かい踊りは凄く難しいんですが、あそこは私も大好きなパートなので是非観て欲しいです!

三つ目は、アルトリのYouTubeチャンネルから見れるPractice動画には映っているのですが、

曲が始まって、直也くん、Angeloさんとお話しするシーンがあって、
そこは練習から本番まで、ほんまに会話をしているところです!

Ryoさんの口癖は「おままごとではなく、リアルを!」です。
なんて会話しているか耳を凝らして見てみてください!笑

【Dリーグ】ROUND.1 6th MATCH / LIFULL ALT-RHYTHM
【Dance Practice】"TGIF" D.LEAGUE22-23 ROUND.1 |LIFULL ALT-RHYTHM

ー何度観ても最高のショーです!今後の意気込みも是非教えて欲しいです。

とにかくの目標は、チャンピオンシップにいって優勝することですね。

最初は良くても上位をキープすることが大事だと思うので、浮かれずに頑張っていきたいです。

自分にできることは限られてますが、2週間に1回のJDDだと思って全力でやっていきます!

ー応援してます! もう少し広く、人としてダンサーとしての今後の展望などはどうでしょう?

人としては、やはり人柄がダンスに出ると思うので、自分の生活も環境も変わって忙しい毎日ですが、
そこでも余裕を持ちながら色んなことに挑戦して幅を広げたいですね。

ー具体的に今考えてることはありますか?

海外には行きたいですね。

自分のダンスだけじゃなく、アルトリもDリーグもAnthology.も世界に羽ばたいて発信していきたいです!

ーありがとうございます。最後に、12/14(水)にDリーグROUND.4が控えてますが、意気込みや見所などがあれば是非教えて頂きたいです!

今回もアルトリらしさ全開で、見たことのないステキな景色をファンの皆さまと一緒に見に行きたいと思います!

アルトリファミリーみんなで力を合わせて頑張りますので、皆さま応援よろしくお願いします!
楽しみにしていてくださいねー!

 

スクリーンショット 2022-11-01 14.26.40