hirokoboogie
-Ol'Loco
-Locking

 

大阪府出身。
高校生からダンスを始め、2019年フランスで行われたストリートダンス世界大会Juste Debout FlNAL Locking sideにおいて、
若手ながら異例のBEST4という結果を残す。

さらに、KOD ASIA FINAL(韓国)優勝、KOD FINAL(中国)日本代表、StepYaGameUp(ニューヨーク)優勝、OLD SCHOOL NIGHT準優勝など、
国内のみならず数々の世界大会で活躍。

昨年の2022年には、世界トップレベルのダンサーが集う中国のリアリティ番組“Street Dance of China”に出演し、
パワフルなLOCKダンスで世界中を沸かせた。

今回はそんなhirokoboogieさんが、LOCKダンスと出会った原点から、 世界への挑戦を通して意識が変容した転換点、
さらにはワールドワイドに活躍するその原動力に迫った。

『hirokoboogie流、3種類の音の聴き方』

ー今回REELで踊っていただきありがとうございました!
日頃から踊る時に意識してることはありますか?

ありがとうございました!

音楽の雰囲気をしっかり感じることは意識してますね。
それによって音の捉え方、表情を変えられるようにしてます。

ー今回踊っていただいた曲では、どういった雰囲気を感じ取ったのでしょう?

今回は女性の声と、早いビートにファンキーさを感じたので、
ソウルっぽさとファンクな雰囲気を意識して踊りました。

音楽をクリアに聴き分けられるほど、動きの質感も変わってくると思います。

ーhirokoboogieさん流の音の聴き方などもあるんでしょうか?

自分の中ではざっくり3種類あって、
一つ目はひたすら「リズム」を聴いて刻んでいく聴き方、二つ目は「アクセント」メインの聴き方、三つ目は「フロー」メインの聴き方ですね。

絶対にどの曲にもこれらの要素はあって、
例えばファンクならリズムをメインに刻む、打ち込みだったらビートが強いのでアクセントメインなど、
あえて1個の聴き方だけで踊る練習をして、最終的にはそれらを組み合わせて踊れるようにっていうのは良くやりますね!

ー凄くわかりやすくて、練習もしやすそうです!

これはよくレッスンでもやってますね。

後はストップなどは、ただ止めるんじゃなくて、ビートをしっかり捉えて止まる練習を沢山して、
自分の身体を思い通りに動かせる力を意識してます。

『ダンサーとしての道を決めた、Juste Deboutでの経験』

ーありがとうございました!
ここからはhirokoboogieさんのダンス人生にフォーカスしてお話を伺いたいのですが、
まずはご自身の中でここで踊り方や価値観が変わったという、3つの転換点を教えて頂きたいです。

一つ目は、高3の時にLOCKダンスを始めて、ハマっていったこと。

二つ目は、大学4年生の時に、Juste Deboutのパリ予選に出たこと。

三つ目は、2021年に梅棒のダンス演劇『風桶』に出たことですね。

ーありがとうございます。その3つを軸に質問していきますね。 まずはそもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?

ダンスは高校生からで、ダンス部に入って始めました。

小さい頃から音楽で体を動かすのが好きで、ずっとダンスはやりたかったんですけど、
小学生までは中国に住んでて、周りにダンスを習える環境がなかったんです。

日本に来てからは何故かバレーボール部に入って、スポーツの勝ち負け争いみたいな感じに馴染めなくて全然輝けませんでした笑

ーダンスをやりたいと思ってから長かったんですね笑
実際ダンスを始めてみてどうだったんでしょう?

ダンスはスポーツじゃない感じで、気が楽ですごい居心地が良かったです。

ーダンスがやっぱりしっくりきたんですね。
一つ目の転換点でLOCKを高3から始めたということですが、最初はどんなジャンルを踊っていたんでしょう?

最初はHIPHOPっぽい創作ダンスをやってました。

それで高3の時に他の高校がLOCKダンスを踊ってるのを見て、音楽がすごい好きで魅了されたんです。

あの軽快なリズムで刻んでるような感じだったり、あとは衣装もスーツやハットとかを被って踊ってるのがカッコいい!って思いました。

それで部活をやりながら通ってたダンススタジオで、𝐑𝐎𝐀𝐃𝐃𝐎𝐆𝐆𝐙𝐂𝐢𝐎さんのLOCKレッスンに行ったら楽しすぎて、
そこからはずっとLOCKでCiOさんにも6年くらい習ってましたね。

ーそこがLOCKの原点だったんですね!
大学ではどうだったんでしょう?

大学ではダンスサークルに入って、その2個上の先輩にOl'LocoのチームメイトでもあるYu-Ki君がいて、
一緒にBIG BANGや、BUZZ STYLEに出てました。

当時はイベントが本当に楽しくて、かっこいいダンサーさんが沢山見られるし、
その空間自体も好きでイベントに行きまくってましたね。

ーシーンにガンガン出てたんですね。
二つ目の転換点では、大学4年生で世界大会でもあるJuste Deboutに挑戦。この時が初挑戦ですか?

いえ、それまでも日本の予選には何回か出てたんですけど、
この時は世界のダンサーを間近で見たいと思って、ファイナルが開催されるフランスに直接行って、パリ予選に挑戦したんです。2017年の時でした。

ー世界のダンサーを実際間近で見てどうでしたか?

もうその年のJuste Deboutはオールスター大集合みたいな年で、本当に刺激的でした。

ちょうど同じタイミングで𝐑𝐎𝐀𝐃𝐃𝐎𝐆𝐆𝐙のお二人も行ってて、 お二人は外国の世界的なダンサー達と友達みたいな感じでフランクに喋ってたんです。

自分達は、わー〇〇さんだ!みたいなダンスファンみたいな感じで笑
結果的に予選も落ちしまって、 こんなんじゃダメだな、自分たちも世界レベルのダンサー達と同じ土俵に立って同等に渡り合いたいと思ったんです。

ーそこで世界への闘志が燃えたんですね。

そうですね。
大学卒業後はプロのダンサーとして活動を始めて、海外のバトルで活躍することを目標にしてました。

就職しなかった理由も海外に挑戦したかったことが大きいですね。

ーそれで2019年のJuste DeboutではBEST4に!

海外のバトルにも沢山出て、経験値がついてきたことで結果がついてきましたね。

後は気合の違いも大きかったと思います。
2017年の時は予選上がれたらいいなーっていう感じでしたけど、2019年は絶対に上がらなあかん!っていう気持ちでいました。

ファイナルでは、Tony Gogo & Locking Jayというオリジネーターの方々にも当たれて、
自分にとって大きな糧になりましたね。

Locking Semi-Final - Juste Debout 2019 - Tony Gogo & Locking Jay vs Yu-Ki & Hirokoboogie

『ダンサーとしての幅を広げた、梅棒公演とStreet Dance of China』

ー三つ目の転換点、梅棒のことについてもお聞きしたいです。
これまでのバトルから一転、演劇への挑戦。何かきっかけがあったんでしょうか?

新しいことに挑戦したいって思ったのが大きかったですね。

というのも、この前に“Street Dance of China”の出演オファーをいただいて、
その為に大阪のレッスンやお仕事を全て辞めさせてもらったんです。

なのに、運営側の都合でChinaのオファーが白紙になってしまって、
大阪での活動もリセットしたし盛大に送別してもらったので、それならと、思い切って上京したんです笑

そのタイミングで、梅棒IMAGINEさんからオファーをいただいて、
梅棒の公演も昔から好きだったので挑戦を決めました。

ー良いタイミングではあったんですね笑
hirokoさんが出演した舞台は、どういった内容だったんでしょう?

梅棒はセリフが無いダンス演劇になるんですけど、
私が出演した『風桶』は、江戸が舞台で、タイムスリップもののラブストーリーでした。

私の役柄は、おねつさんっていう病弱でずっと熱を出してる江戸の人で、 現世からタイムスリップした人からバファリンをもらって、すごい元気になってLOCKダンスを踊る役ですね笑

ー面白そうです笑
病弱な役ってかなり難しそうですね。

本当に難しかったですね笑

特に自分はこれまでどうカッコよく踊るかっていうことを意識してきたので、
病弱な人のLOCKINGっていうのがこれまでにない経験すぎて、本当に苦労しました。

ーそうですよね。実際どう練習したんでしょう?

まずはそもそもお芝居ってどう練習したらいいかわからなくて、
まずはマインドマップを書いて、おねつさんはどういう人でどういう性格なんだろう?っていうのを考えたりしました。

その辺を少しづつクリアにしたら、役がスッと自分の中に入ってきて格段にやりやすくなりましたね。

そういう意味でも、梅棒での経験は、それまでのストリートダンスとしての魅せ方から、
エンターテイメントとしてどう魅せていくかを考えられた、大きなターニングポイントでしたね。

ーダンサーとしての幅が広がったんですね。
次の年では改めて"Street Dance of China”にも挑戦されてますが、 梅棒での経験がそこにも活きてたんでしょうか?

それはすごいありましたね。

Chinaで多かったのが、「5秒で何かすごいことやって」「4カウントでLOCKっぽいことやって」みたいなフリがあって、
舞台もそうですけど、やっぱり派手なことや分かりやすいなどのエンタメ的な要素がよく求められるんです。

私はこれまでシルエットや、この角度がみたいな、かなり渋い部分にこだわってやってきたので、
分かりやすくキャッチーなものが、人に観てもらう上で、一つ大事な要素としてあるなと実感できましたね。

ーどきっとするフリですね笑
Chinaならではの学びも多そうです。

基本Chinaで万全な状態で踊れたことがなくて、
何時間も収録して全然寝てない状態で踊ったり、振り付けが曖昧でも舞台に立たないといけないとかの連続でした。

そういった極限状態でも、自分のMAXを出すことを何回も経験したので、 多少コンディションが悪くても本当に気持ちの持ち方一つでどうにでも出来る、と思えるようになりましたね。

後は、ドキュメンタリー番組なので「じゃあ今からバトルです」みたいなサプライズも多くて笑
どんな状況でも動じないメンタルと対応力は磨かれましたね。

凄まじい環境ですね、、
期間的にはどれくらいだったんでしょうか?

自分は4ヶ月間で、帰ってきたのは2022年の10月末ですね。

『世界的に有名な女性LOCKダンサーに』

ー帰ってきてから、現在はどんな活動をしてますか?

今はレッスンをやりながら、今年の春からWSツアーでまた中国に行きたいと思ってて、その為の準備期間ですね。

後は“Street Dance of China”にもチャンスがあれば、また挑戦したいと思ってます。

ーそれだけの魅力がある舞台なんですね!

出演してる時は本当に大変でしたけど、準決勝で負けて決勝に行けなかったのが本当に悔しかったんです。
やり残したことがあるって感じですね笑

なので今は日本のいいレッスンを沢山受けて、改めてChinaに出た時に、もっと違う一面が出せるように、
そしてWSでも自分が教えられる幅をもっと増やせるように、沢山インプットをしてます。

ーやはり照準は世界なんですね。

そうですね。
やっぱり海外を飛び回ってお仕事がしたいですね。

今は自分でお金を払っていく方が多いので、海外から沢山オファーが来るようになることが今の一番の目標です。

後は中国に行ってみて、女性のLOCKダンサーでストリートシーン以外の一般の方からも知られているアイコン的な存在っていないと感じたんです。
WAACKで言えばIBUKIちゃんみたいな、ダンスをやってない人たちにも、認知されてて、そのジャンルを世間に浸透させてシーンにも貢献してる。

将来的に女性LOCKダンサーとして、そんな世界的に有名な存在になることができたら嬉しいですね!

ーありがとうございました!
益々のご活躍楽しみにしてます!

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