ダンサーネーム:iona

チーム:Alternative

ジャンル:FREE STYLE

HIPHOP、POPPIN、CONTEMPORARYなど様々なジャンルを経験し、
宇多田ヒカル、米津玄師、三浦大知、Nissy、星野源、EXO-CBXなどの有名アーティストと共演。

また、D.LEAGUE 21-22seasonにてLIFULL ALT-RHYTHMのメンバーとして出場。
さらに現在は「Alternative」というチームに所属しながら、自身だからこそ出来る表現を追求するionaさん。

冷静に自分自身を分析しながら、時には自らを裏切り、新たな環境に飛び込むことで次なる道を切り開いていく。
そんなionaさんが歩んできたこれまでのダンス人生と、Dリーグを退団した現在、どのように考え、先を見据えているのかを伺った。

ー今回REELで踊っていただきありがとうございました!
踊る時に意識したことなどはありますか?

ありがとうございました。
意識してることとしては、空気を変えたり動かしたりできたらいいなと思ってて、
私は静寂な環境が好きっていうこともあって、自分が踊って空気が張り詰めるイメージは持ってますね。

今回の踊りでは、前半の探る感じから徐々に上がっていく感じがあるので、見てる人も徐々に入り込んで見て欲しいですね。

ーダンスの表現に関して、どういったところからインスピレーションを受けているんでしょう?

表現するもののイメージはダンス以外のものから、
それをどう踊りで表現するかはダンサーさんから学ぶことが多いですね。

例えば魚を見て、こんな滑らかに泳いでるの凄いな〜この質感で踊ってみたいな〜とか思ったり、
ダンサーさんの動きで言うとなんでこんな足の運び綺麗なんだろう?そっか重心がずっとそこにあるんだ!とか、
じゃあそれを試してみようって言う感じで試行錯誤してますね。

ーダンスを始めたのはいつ頃ですか?

ダンスを始めたのは小一の終わり頃で、歳上の幼馴染がダンスをやってて、それについて行って始めました。

3ヶ月ごとにレッスンのジャンルが入れ替わる感じで、私がちょうど習いに行ったタイミングがBREAKINで、最初はブレイクダンスから入りました笑

ーそれは意外ですね笑
現在のダンススタイルに行き着くまでどんな方々に教わっていたんでしょう?

そのあとは小学校高学年の頃にちゃんとしたダンススタジオに通い始めて、 そこでXXX-LARGETAKESABUROさん 、 KING OF SWAGDeeさん𝐑𝐡𝐲𝐭𝐡𝐦𝐚𝐥𝐢𝐬𝐦のOBAさんなどに教わって、
色んなジャンルやスタイルをやってましたね。

その後中学生の時にs**t kingz(シットキングス)さんのショーを見て衝撃を受けて、 都内に通い始めてNOPPOさんに教わり始めました。
NOPPOさんには高校生から二十歳くらいまでずっとナンバーやレッスンでお世話になってました。

ー今のionaさんのダンススタイルとs**t kingzさんのスタイルは少し離れてるようにも感じます。

確かにそうですね笑

多分それもNOPPOさんの影響で、自分のレッスンだけで終わるんじゃなくて、もっと外で色んな踊りを吸収してきてねっていう感じだったんです。

確かに私は一生懸命NOPPOさんの真似をしてたんですけど、
背の高さや手足の長さが明らかに違うのでいくら真似をしても、
NOPPOさんみたいに踊ることはできないんですよね。

その時に「人それぞれの体型があってそれぞれの魅せ方があるんだ」と理解して、
私はもともと関節が柔らかかったり、肩や背筋のラインや骨格がはっきりしていたので、
そこを意識して踊り始めて、今の自分のスタイルに伸びていったのかなと思います。

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ーなるほど!確かにそこを伸ばしていくことがダンスの個性にも繋がりますよね。
ダンサーとしてやっていこうと決めたタイミングはありますか?

これまでずっとダンスしかやってなかったのでダンサー以外の道が考えられなかったんですよね。

それで高校を卒業するタイミングでフリーのダンサーとして活動をし始めました。
でもいざフリーになるとやばい、ちゃんとこれからの道を考えなくちゃ!ってなりましたね笑

ーダンサーとしてちゃんとお仕事をいただけるようになったのはいつ頃なんでしょうか?

21、2歳の時にEXOっていう韓国のアイドルグループの日本ツアーのお仕事を頂いて、
そこで2ヶ月間程ダンスだけで生活をしてまとまったお金もいただけたんです。

それでバイトを辞めてこのお金でやれるとこまで頑張ろうって思って、
レッスンで教えたりナンバーを出したり、その後enでもレッスンが始まって、他のお仕事ももらえるようになって、という感じでようやくダンサーとしてスタートできるようになったタイミングでしたね。

ーダンサーとしてお仕事をいただく為に意識したことなどはありましたか?

今考えると、とにかく自分の好きや理想を明確に理解することが大事なのかなって思います。
私も19歳で上京した当時はそれがわかってなくて、
せっかく東京に来たのに私何やってるんだろうって落ち込んでそこで一回整理しようと思って、
自分はどうなりたいのかっていうのをノートに書き出す作業をしたんです。

他にも好きなことや理想の暮らし方とか、後は何キロ痩せたいとか笑 ほんと些細なことでも自由に書いたりしてました。

でもそれが自分らしく生きるためにすごく大事な作業で、
今は6冊ぐらいノートが溜まってますね。

よくダンサーになりたいけど何をしたらいいかわからないって相談してくれる人がいるんですが、
こうやって自分のことを一つ一つクリアにしていく作業が大事だなって思います。

ーまずは自分のことを知ることですね!
Dリーグのお話もお聞きしたいんですが、Dリーグに参加する前にはどういったことを考えていたんでしょう?

Dリーグに参加する前に考えてたことは、
ダンスでお仕事をいただけるようになってからこれまで「ダンスをしたくない」と思ったことがなくて、
それくらい自分のペースでやってきたんだなと思ってました。

でもそんな自分のペースを一度崩すような挑戦をしたかった時期で、
ちょうどそのタイミングでアルトリ(Dリーグ「LIFULL ALT-RHYTHM」)のお話をいただいたんです。

Dリーグが大変なことは色んな人から聞かされてたし、ここで自分の生活をガラッと変えて挑戦したらどうなるのかっていう、
不安とワクワクで参加を決めました。

ー実際に参加してみてどうでしたか?

分かっていたことでしたが、2週間ごとに新しい作品を作り続けるのはやっぱりキツくて、もう踊れないよ〜!って思うこともありました笑

でも本当にアルトリのメンバーはみんな人が良くて、大変でしたけど1年頑張ってこれたし、学ぶことも沢山ありました。

ー具体的にダンスにおける変化などはありましか?

色々ありましたけど特に、コンテンポラリーダンサーのJunさんから感銘を受けることが多かったですね。

動きを想像する時の構造と言いますか、これまで自分の動きをイメージする時は人型で考えてたんです。
それが、ぐにゃーんべにゃーんみたいなオブジェクトが変形するようなイメージとして捉えるようになって、
より表現の考え方のレベルが上がったなと思いますね。

ー先日、前シーズンでの退団を発表されてましたが、その経緯をお聞きしたいです。

やりたい道が見つかったのが大きかったですね。

自分のダンスは、正直コンテスト向きじゃなくて、性格もマイペース、バックダンサーとかでマルチに呼ばれるスタイルでもない。
でも私みたいなスタイルでもそのままで仕事がして生きていけるかもしれないと思ったんです。

そうやって考えられるようになったのもDリーグのおかげで、
ダンサーになるっていうとバックダンサーや振り付け、レッスンなどで生活をしていくという選択肢の中に、
Dリーガーというこれまでにないダンサーの新しいモデルを示したと思うんです。

私もDリーグみたいに先陣を切って、新しい道を作って、ついてきてくれる子達にもそういう可能性を示していきたいって思うようになりました。

その為にもこれから0→1を生み出していく製作をしたいと思っていて、
本当はまだアルトリとして挑戦したい気持ちもあったんですが、
製作に専念する為にも退団を決意しました。

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ーDリーグに挑戦したからこそ見えた道なんですね。
今後考えてる展開があれば教えて欲しいです。

今年の5月からスタジオの中でアカデミークラスを持っていて、
自分が声をかけた子たちと「スイスイキョーキョー」っていうクルーを始動します。
映像を作ったり、演出を勉強しながら世に新しい世界観を打ち出していきたいですね。

後は所属チームのAlternativeで来年あたりに自主公演ができたらと思ってます。
まだまだフワッとしてる部分が多いのでこれからもっと具体的な計画を立てていこうと思ってます。

ー最後に人としてどうなっていきたいかもお聞きしたいです。

ずっと思ってるのは、ダンサーとして生きていくというよりは、
ionaを表現する内の一つにダンスがあるっていうイメージで考えてます。

今ダンス以外にも洋服のリメイクとかもしていて、自己満にならないように、それを多方面に展開したり、
色んな表現方法に可能性を広げて活動していきたいですね。

ーありがとうございました。
ionaさんの表現を今後も楽しみにしてます!