KEIN
KEIN
-Novel Nextus/
kophy
-HOUSE
幼少期からストリートダンスに惹かれ、様々なジャンルを学んだ後ハウスダンスに目覚める。
弱冠二十歳にしてDANCE @LIVE関東を制し、そこを皮切りに数々のバトルやコンテストで結果を残していく。
2020年にはKENSHU&KEINとしてJUSTE DEBOUT JAPAN HOUSEにて優勝。
さらに今年行われた2022年DANCE ALIVE HERO'S HOUSEでも準優勝するなど、
フロアムーブと感性を武器に唯一無二のスタイルを確立している。
今回はKEINさんがダンスを始め、現在のスタイルが確立するに至った経緯。
さらに3つのターニングポイントを軸に、価値観やマインドが醸成されていった背景に迫る。
『自分が楽器を弾いてるようなイメージで踊る』
ー今回REELで踊っていただきありがとうございます。 日頃から踊る時に意識してることはありますか?
ありがとうございました。
普段から音楽には素直にいようと思ってます。
やっぱり流れてる音楽でしか踊れないことをやることに意味があると思います。
ーなるほど。今回の音楽ではどのように感じて踊りましたか?
今回はジャズ要素の強い曲で、サックスがフリースタイルな雰囲気がありました。
ただサックスに合わせるところもありつつ、もう一人のフリースタイルとして、自分が楽器なら別の楽器を弾いてるようなイメージで踊ってみました。
ーそのイメージは面白いですね笑
中学生の時タップダンスをやっていたのでそこの影響はあると思います。 足で音を取っちゃう癖があって、床で音を出しているような感覚で踊ることは多いですね。
常々タップシューズみたいに、音が出るスニーカーがあればいいなと思ってます笑
『色んな人のおかげで自分のスタイルができていった』
ーここからはKEINさんのダンス人生にフォーカスしてお話を伺いたいのですが、まずはご自身の中でここで踊り方や価値観が変わったという、3つのターニングポイントを教えて頂きたいです。
一つ目は、2016年で20歳の時にDANCE @LIVEの関東予選で優勝したことですね。
二つ目は、2019年に“DANCE DANCE ASIA”っていう公演でタイのコレオグラファーのもと、舞台に出た経験ですね。
三つ目は、2020年Juste Deboutでの優勝ですね。
ーありがとうございます。その3つを軸に質問していきますね。 まずはそもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?
5歳の時ですね。
「筋肉番付」っていうテレビ番組で、ダンサーオーディションをしてて、 その頃ケインコスギが有名でケインって名前ならいけるんじゃないか?って、
それで親が書類送ったら通って、オーディションまで行けたんです笑
でも落ちてしまって、それが悔しくて親にダンス習いたいって言ったらしいです笑
ー面白い経緯です笑 その時は特にダンスをしたいわけではなかったんですか?
ただ面接で自分よりも運動が出来なそうな子が通っててそれが悔しかったんですよね。
なので負けず嫌いから始まった感じだと思います笑
ーそれで今ではプロとしてご活躍してるのもすごいですね笑 最初はどんなジャンルを教わってましたか?
ダンススタジオに通い始めて、HIPHOPを教えてもらってたんですが、今思うとゆっくりHOUSEだったかもしれません。
HOUSEは難しいからHIPHOPっていう名前で教わってましたね。
でもその頃からチェアやバタフライなど教えてもらっていて今のスタイルに直結しています。
最初の先生は、waki先生です。
ー本格的にHOUSEを始めるのはいつ頃ですか?
小学校の終わりくらいですね。 当時「スーパーチャンプル」を観てて、カリスマカンタローさんが出てたんです。 それをきっかけにレッスンに行き始めました。
そこで今でも仲いいKAZANEとかに出会ってここなら切磋琢磨できる!って思いました。
ー向上心が強かったんですね。
上手くなりたい一心でしたね。みんなダンス上手いからここなら上手くなりそうって思ったんです。
ーそれからもダンスを続けて、中学ではARKSTARにも加入してますよね?
[ARKSTAR(アークスター):次世代のダンススターを育成するキッズダンスプロジェクト]
そうですね。
最初は入る気はなかったんですけど、カンタローさんのレッスンが終わってしまったのでそのタイミングでARKSTARのオーディションを受けて、
中学2年生の時にARKSTARに加入しました。
ー当時教わっていた先生はどんな方がいますか?
HOUSEだとSHUHOさんに教わってましたね。
その後、高校はVAW栄光ハイスクールに通い始めてPInOさんにも教わってました。
ー素晴らしい環境ですね!その頃にはやっぱりHOUSEがしっくりきてる感じがあったんでしょうか?
どうですかね。長かったんでみんなより少しできるかなって感じでしたけど、これだって感じではまだなかったです。
ARKSTARでもVAWでもオールジャンル教わっていて、
2GOOさんにBREAKIN、BROTHER BOMBさんにPOPPING、フリースタイルなど、
本当に色んな人のおかげで自分のスタイルができていきましたね。
ー確かに今のスタイルではBREAKINの要素も強く感じますね。
SHUHOさんのダンススタイルにかなり影響を受けたと思います。
当時ALIVEでの踊りとかを観てて、HOUSEでこんなにやっていいんだ!って思いました。
BREAKINからはダイナミックさを吸収して、自分のスタイルとして落とし込んでる感じはありますね。
『バトルは相手と会話をしてる感じ』
ーターニングポイントの一つ目で、20歳でDANCE @LIVE2016の関東予選で優勝したというお話がありましたが、その頃にはスタイルも確立された感じでしょうか?
そうですね。フロアとのバランス感も今の感じがありますね。
ー転換点になった当時の@LIVEの予選はどうでしたか?
KAZANEや決勝ではKing Charlesともバトルできて、色んな人と当たれたから、自分も上がって行けたと思います。
その予選を機に、相手によって自分から出るものが違うっていうことに気づけたんです。
バトルは会話をしてる感じで、相手が見せてくれた動きから、自分の中でもあーそういうバリエーションあったなって思い出したりする。
なので友達とかとバトルで当たる時は特に楽しいですね。
ーダンスでのコミュニケーション素敵です。@LIVE後の変化は何かありましたか?
単純に楽しくなりましたね。 勝てて楽しいだけじゃなくて、余裕ができたので本気で踊り合うことが楽しくなりました。
勝ってやる!より楽しんで勝てたらいいなって言うスタンスに変わっていきましたね。
ーダンサーとして生活できるようになったのもそのタイミングだったりするんでしょうか?
確かに@LIVEの予選で優勝した時は、まだバイトもしてて、その頃からレッスンが増えていったと思いますね。
ー二つ目のポイントとして、2019年の“DANCE DANCE ASIA”がありましたが、その舞台に出るきっかけは何だったんでしょう?
KAZANEが紹介してくれました。
ーどういった舞台なんでしょう?
コレオグラファーによって全然違うんですけど、自分の時はタイの人がやってて、自由でアドリブもありの30分弱くらいの舞台でした。
ストーリーとまではいかないけどメッセージ性がある感じで、1ヶ月くらいかけて稽古もしてましたね。
ーそこでどういう変化があったんでしょう?
ダンスの価値観が変わりましたね。
タイの人はもちろんダンスを極めてるんですけど、それよりも楽しむことを大事にしてる感じがあって、
実際タイで公演をしに行った時にも、街全体が本当に幸せそうな雰囲気だったんです。お国柄もあると思うんですけど。
それで、勝つよりも楽しむために、最初はやってたよなーって思い出したんです。
ー具体的にダンスが変わったりも?
逆にバトルに活きたんですよね笑
その後Juste Debout 2020で優勝できたんですよ。
ーおーそこに繋がってくるんですね笑 マインドの変化でしょうか?
そうですね。
なんかダンスを楽しんで優勝できたって感じです。
これまでは凄いことをやろうって思って踊ってた。そこから見てる人が楽しんでもらえるように踊ろうっていうマインドになったかもしれません。
ー魅せ方の幅が広がったんですね。三つ目のJuste Deboutでの優勝ですが、行ける感じがあったのでしょうか?
一応これまで4回挑戦してて、3回BEST4止まりだったんです。
3年目にはKENSHUと出て、これまで出るごとに相方を変えてたんですが、初めて来年も同じ相方と出ようってなったんです。
それで1年かけて二人でショーに出たりルーティーンを作ったり、多くの時間を過ごしました。 それで優勝できたのかもしれません。
ー二人のチーム感みたいなものが生まれたんですね。動画も見させて頂いてルーティーンがすごくカッコ良かったです。
ありがとうございます。
あれをさらにブラッシュアップしてたんで、ファイナルのフランスで披露したかったですね、、
ーコロナで中止ですよね。。中止が知らされたのはいつ頃だったんですか?
実はフランスついてからです笑
ーほんとですか?笑
フランスに到着して明日はファイナルだって思ってたら、
オーガナイザーが来て「3月から政府に大きいイベントはダメって言われたから明日できない」って言われてえ〜ってなりました笑
ーそれは何とかしてくれよ!って思っちゃいますよね笑日本予選での優勝の前後でどう変化したかもお聞きしたいです。
正直もっと変わると思ってました笑
その後すぐ世界中がコロナ一色になってしまって、ここからだったのに!って感じでしたね。
そのままDANCE ALIVEとかも勢いで行けたのかなって笑
『自分のスタイルを極めて、タイミングで評価されたい』
ーコロナが落ち着いてきた現在はどんな過ごし方をしてますか?
レッスンがほぼ毎日と、あとはバトルに挑戦したりですね。
どちらかというと今は結構まったりしてるかもしれません。
ーそうなんですね笑 今後の活動もお伺いしたいのですが、ダンサーとして目指してるところはありますか?
世界一のダンサーになるみたいな野望はないんですけど、
自分のスタイルを極めて、それが評価されるタイミングで評価されたらいいなって思いますね。
ーKEINさんらしい気がします笑 人としてはどうでしょう?
余裕のある人でありたいですね。
あとは「生み出す側」も面白そうだなと思います。
正直言うとダンサーはオーディエンスの代表だと思うんです。
つまり音楽を受け取る側の代表だと思ってて、何かを生み出す側もやってみたいっていうのはずっと頭にありますね。
ーなるほど。GANMIのようにダンサーでありながら自分達で音楽を作って活動されてる方達もいますもんね。
そうですね。ただ僕自身はダンサーとしてアーティストになろうとはあまり思わないです笑
でも例えばダンサーが踊ってるのにアーティストが音楽をつける取り組みとかも面白そうだし、
コンテンポラリーダンサーの人とかはよりアーティストに近いのかなと思ったりもします。
色んなものに触れて、そういう価値観を広げていければ楽しそうですね。