ダンサーネーム:颯希(SATSUKI)

レペゼン:KADOKAWA DREAMS

ジャンル:Hiphop, Animation

現在Dリーグ“KADOKAWA DREAMS”の一員としてプロリーグで活躍
幼少期からアメリカへダンス遠征に行き、世界大会での優勝を経験するなどそのダンススキルはDリーグ随一

また2020年4月から始めたTikTokでは90万人以上のフォロワーを抱え、現在も毎日投稿を継続している颯希(SATSUKI)

今後のさらなる躍進が期待される彼の思考を紐解く

ー早速ですが今回のダンス(REEL)の見所を教えて欲しいです

普段はヒップホップを主軸にしているんですが、今回は楽曲的にも音を具現化することにこだわりたかったのでアニメーションで踊りました。

本当に音って無限大にあるなと思っていて、例えばハイハットの音でも「チン」なのか「チ」なのかでアプローチを変えたりしています。
今回はillionさんの“Told U So”で踊らせていただいて、裏音も歌詞も両方が複雑に交わう様を自分の身体で表現しています。

あとダンスの内容で言うと、足首の柔らかさが僕の強みだと思っているので、足を使った動きや角度とかにも注目して観てほしいです。

ーダンスを始めたのはいつ頃ですか?

始めたのは6歳の時ですね。
サッカーを当時していたんですけどコーチに蹴る時のリズムを指摘されて、自分は自然とやってただけなんですが独特なリズムを取ってたみたいで、それを知った母親がダンスを勧めてくれて始めました。

最初は地域のスポーツセンターに通ってジャズヒップホップから始めました。ドープな感じというよりはステップを重視したような感じでしたね。

ー今回踊って頂いたアニメーションダンスとの出会いはいつ頃ですか?

小学校の4年生あたりで「スタードラフト会議」というテレビ番組で“黄帝心仙人”さんのダンスを見て衝撃を受けたのがアニメーションとの出会いでした。

中学生の時に実際に黄帝心仙人さんに習ってはいたんですが、自分のスタイルとしてヒップホップの中にアニメーションを混ぜ始めたのは実は2年前くらいですね。
当時ロサンゼルスでダンス留学をしていてジャンルをミックスしてフリースタイルで踊りたいと思ったのがきっかけでした。

ーダンスでアメリカにもかなり行かれてたみたいですね

そうですね。それこそ中学生の時に黄帝心仙人さんと2週間くらい行かせてもらって、その後も4回くらいニューヨークやロサンゼルスにダンスで行ってます。

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ー実際に海外に行って変わったことはありますか?

ダンスや音楽、言葉など色んな側面で考え方がかなり変わりましたね。

僕は海外に行く前から洋楽で踊ることが多かったんですが、やっぱり英語の歌詞やスラングの意味を理解することで、動きの一つ一つにも意味を考えて踊れるようになりました。

さらにそこから崩していくことで、踊りに遊び心だったりを出せるようになってダンスへの視野が広くなりました。

また逆に日本語の良さも知ることができて、例えば「察する」っていう言葉とかは英語に無くて日本の文化特有の美しい言葉だなって思います。

海外に行くことで、同じ伝える為の言語でも文化的な影響で歪んでいくことが面白いなと感じられるようになりましたね。

ー現在TikTokでは90万人以上のフォロワーを抱えていますが、TikTokを始めたのも留学中だったとか?

はい2020年4月のコロナ自粛の時ですね。

ロサンゼルスにダンス留学で行っていたんですが、最後の方にちょうどコロナが流行り始めて、それまでの行ってた場所が全部閉じてしまったんです。

それでやることもないので、一緒に住んでた日本人の子と遊びでダンス動画をTikTokにあげてみたんです。 そしたら1投稿目でいきなりバズっちゃって笑

それでハマって多い時には1日7投稿とかしてました。Dリーガーになって忙しくなった今でも毎日投稿は続けています。

ー1日ですごいですね笑 TikTokの投稿で意識してることがあれば教えて欲しいです。

やっぱり最初のインパクトは大事だなと思いますね。

人には伝わらなそうだけど自分は楽しいみたいな踊りってあると思うんです。 でもダンスって人に見てもらってナンボだと思うので、これを見てもらうためには最初にどういうインパクトを入れればいいのかっていうのは考えます。

あとはみんなが知ってる曲を使うとやっぱり伸びやすいですね。
もしメジャーじゃない曲で踊る場合は、踊りが単調にならないように、ちょっと変で面白いだったり、不思議だけどカッコ良いみたいな要素をミックスするようにしてます。

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ー毎日投稿をしていて良かったなと思うことは何でしょうか?

全然別ジャンルの人との繋がりが増えていくのは嬉しいです。
ダンスをやってない人だとダンスに対する価値観が違くて面白いなと感じていて、
例えばTikTokって動画の速度を自由に変えられるんですけど、僕はあえて全部通常の速度にして投稿してて、たまにダンスやってない人が「これ速度早くしてるでしょ!」ってコメントがあるとニヤリとしてます笑

あとはやっぱり毎日踊ってると、どうやって踊りのバリエーションを増やすかっていうことを考えるので、自然とフリースタイルの幅が増えましたね。

ーそういった踊りのバリエーションの豊富さが、Dリーガーとして作品作りをする際にも生かされてそうですね。

そうですね。観客を沸かせるために、どうやって毎回展開をつけて楽しませるかっていうのは意識してます。

僕が所属している“KADOKAWA DREAMS”(@kadokawa_dreams)は一回コロナで欠場してしまったこともあり、今チャンピオンシップに行けるかどうかのラインにいますが、もちろん絶対優勝する気でいます。

KADOKAWAはとにかくオーディエンス票がどうしても集まりづらくて、作品は高評価をいただいているのにそこで毎回順位が下がってしまい悔しい思いをしています。
もしDリーグを見てKADOKAWAのショーが好きだと思ったら票を入れていただけたら本当に嬉しいです。

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ー最後にSatsukiさんはご自身のダンスを通してどういったことを表現していきたいんでしょうか?

僕はダンスを通して「歪み」を表現していきたいって思ってます。

ちょっと難しい話になってしまうかもしれませんが、自分から見える世界ってすごく歪んでいるなって感じるんです。

これもコロナの時に感じたことなんですけど、コロナの情勢とかを色々と調べていくうちに、例えば募金したお金はどこにいくんだろうとか、そもそもお金ってこの世の中に必要なのかとか、そういう今まで当たり前って思ってたことを考え直すようになりました。

僕はダンサーとして生きていて、それは他の人から見たら普通ではないかもしれない。
でも僕は自分の感情に正直に生きていて、なりたくてダンサーになって踊りたくて踊ってる。
自分の心に正直に生きることが僕にとっての当たり前なんです。

一方で世の中では世間体や社会性を気にして正直に生きられてない人が多いと感じていて、
それが普通だと考えられてると思うんですが僕にとってはすごく違和感なんです。

そういう世間とのギャップみたいなものを僕は「歪み」と捉えていて、それをダンスで表現したい。
アニメーションダンスも時間の軸を変えてるっていう意味では歪みを表現したダンスだと思っています。

僕のダンスを見てくれた人達に、自分の心に正直に生きていいんだよっていうことを少しでも伝えていければ嬉しいです。

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