KANATA
-FREE STYLE

幼少期の頃からHIPHOP,JAZZを中心にダンスを始める。
すぐにその才能が開花し、キッズ時代から数々の人気ダンス番組に出演。 その後も様々なジャンルのダンスに挑戦し、自己のスタイルを確立していく。

自身の表現力も高い評価を受けており、有名アーティストのバックダンサー、コレオグラファーとしても活躍。
2019年1月には、自身初となる単独公演「0477」を開催。
唯一無二の個性と圧倒的なパワーとスキルで見る者全てを魅了した。

現在は生徒の育成にも力を入れ自身のアカデミー「0477Academy」を主催。
新しい世代へと自身の経験やスキルを伝授している。

今回はそんなKANATAさんの人生における転換点を軸に、
現在のお仕事に繋がっていった原点から、 自己から他者へ数々の経験を経て変化していった心情を赤裸々に語って頂いた。

『辛い経験も踊りにすることで成仏できる』

ー今回REELで踊っていただきありがとうございました!
日頃から踊る時に意識してることはありますか?

ありがとうございました!

踊る時は、その曲の登場人物やアーティストの感情を想像して、なりきるように踊ってますね。

ー今回(REEL)の曲はどのようなイメージだったんでしょう?

今回はアリアナ・グランデの“boyfriend”という曲で踊ったんですけど、 2、3年前くらいに当時のボーイフレンドと別れたのをきっかけに作った振りなんです。

今日(撮影日)は雨が降ってて、気分が上がらない感じがしてこの曲を思い出したんですよね。
なので当時の気持ちを思い出して今回は踊りました笑

ー早速赤裸々な話が出て来ましたね笑
KANATAさんは本当に生活とダンスがぴったり密着してるイメージがあります。

確かに辛い経験でも踊りに昇華すると、この経験も悪くないなって感じられるんです笑

それがダンスをやってて良かったなと思う部分だし、踊るってことで成仏できる感じがありますね。

ーKANATAさんは普段どんな感じで振りを作ってるんですか?

そこはかなり感覚ですね。

曲をかけてて、自然と体が動いたのを振りにしてカウントに当てはめていく感じで、
なので好きな曲を流してその瞬間のイメージや感覚を大事に踊ると、スッと振りが出てきますね。

ーだからこそナチュラルに感じられるんですね。
今回の振りでここに注目してほしいっていうポイントはありますか?

この振りは、止めと抜きの加減が自分好みでそこですかね。

他人の振りでもそこにハッとすることが多くて、なんか駆け引きというか、ガツガツ来てたのに急にガッて引かれると追いかけたくなるみたいな笑
そういう魅せ方の上手さがある振りに引き込まれるんですよね。

今回のダンスはそこが分かりやすいと思うので、注目して見てもらうと発見があるかもですね!

『これまでの人生が繋がって大きな仕事が舞い込んだ

ーありがとうございました!
ここからはKANATAさんのダンス人生にフォーカスしてお話を伺いたいのですが、
まずはご自身の中でここで踊り方や価値観が変わったという、3つの転換点を教えて頂きたいです。

一つ目は、小学4年生の時でavexのスクールに入ったこと。

二つ目は、19歳でLA留学に行ったこと。

三つ目は、去年でダンスに対するモチベーションが変わったことですね。

ーありがとうございます。その3つを軸に質問していきますね。
まずはそもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?

モーニング娘。に憧れて、小学2年生からスクールに通い始めましたね。

ーそのスクールでは現在のストリートダンスの方面と、モーニング娘。的なアイドル系のダンスとどっち寄りだったんでしょう?

その時はストリートでHIPHOPでしたね。

当時はその違いもよく分かってなかったので、普通に楽しいなって思って受けてて、
徐々に自分のなりたい方向とやってて楽しい方向がずれてるなって感じてたんです。

なのでavexのオーディションを受けたのは歌って踊りたいみたいなとこだったんですよね。

ー転換点の一つ目ですね。

そうです。それで小4の時にavexに入るんですが、やっぱり歌よりダンスの方が楽しくて笑

avexではHIPHOP、LOCKIN、HOUSE、JAZZなどを習って余計にダンスにハマっていきましたね。

ーavexに入ったことで自分の本当にやりたいことが明確になった感じなんですね。

そうですね。
結局ダンスだけに振り切ろうと思って、高一くらいでavexも抜けました。

ー当時はどんな感じでダンスの活動をしてたんでしょう?

小学生から中学生の間はキッズのコンテストに出て賞をもらったり、少年チャンプルにも出演したり、たまにバックダンサーの案件を頂いたりして、
本当に色んなことに挑戦してましたね。

avexを辞めた高校生からは、enとかNOAとか違うダンススタジオにも通い始めて、
こんなに上手い人が沢山いるんだ!とかs**t kingzを見てこんなダンスがあるんだ!とかって衝撃を受けて、沢山インプットしてた時期ですね。

ー違うスタジオに行ったことで徐々に視野が広がっていったと。
さらに転換点での二つ目ではLA留学にも行ってますが、何かきっかけがあったんですか?

色々吸収してる中でもっとダンスを知りたいと思ったし、SNSでLAのダンサーの動画をよく見てたんです。

それで高校3年間でお金を貯めて、レッスン受けるために3ヶ月間LAに行きました。

ーLAではどんな変化があったんでしょうか?

その時はML(Movement Lifestyle)っていうスタジオに通って毎日2〜3本レッスンを受けてましたね。

それでたまたまavex時代にお世話になってたスタッフさんがそのスタジオにいて、
日本でBoAちゃんのバックダンサーを探してるんだけど、良かったらやらない?って言われたんです。

それでチャンスだと思って、やります!って言って急遽日本に帰ってくるんです。

ーおお笑 何かが動き出す予感がしますね。

そう笑

それで帰国してBoAちゃんの現場に行って、その時が19歳で大人になって初めてのライブやPVのお仕事だったんです。

だからavex時代から留学までこれまでの全てが繋がって大きなお仕事が舞い込んできたんですよね。

ーBoAさんの現場に参加してみてどうでしたか?

そういう現場が初めてだったので仕方ないんですけど本当に何も分かってなかったですね笑

当時は敬語もうまく使えなかったし、振り覚えの速さとか対応力とかが問われるっていうのを肌で感じて、
同じ現場にいたAkanenさんや、Amiちゃん、Miki Emuraさん、AYABANBIさんなどの先輩ダンサーたちの立ち振る舞いからも沢山学べたし、そこでの経験は本当に大きかったですね。

実際これをきっかけに色んな仕事に繋がっていきました。

ーそこが今のお仕事の原点なんですね。

そうですね。
レッスンをやりながらMV出たり振り付けしたり1年に2〜3本ツアー出たり、
23歳くらいまでで一通りのダンスのお仕事を経験させてもらった感じですね。

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『0477Academyはダンスでお仕事をする上で本当に必要な知識を教える場所』

ー23歳までがKANATAさんの1stステージだとしたら、25歳で開催した単独公演「0477」が2ndステージ感があります。
それは何かきっかけがあったんですか?

バックダンサーをする中で、もっと自分のダンスを見てもらう為に何かチャレンジしたいって思ってて、
それなら単独公演で一人で踊ってみようと思ったのがきっかけですね。

ー単独公演を経てどうマインドが変わっていったんでしょう?

単独公演の時は、本当にこの公演をやったらダンス辞めるなって予感してたんです。
それだけやり切ったし、これができたらもう満足だって。

でも公演が終わった後あれ?って笑
まだ普通にダンス踊りたいし、もっとできる気がするなって思って。

それならまたLAに長期で行って、あっちのワールドツアーに出よう。
それはまだ経験したことないしって思って動いてたらコロナが来たんです。

ーおお笑 それで行ってたら今日本にいないかもしれませんよね。

そうですね笑

でも行かなかったからこそ、今生き急がずに日本でダンスができてるので、これも運命だなって思うんです。

ーそこが転換点の三つ目、ダンスに対するモチベーションが変わったっていうことに繋がってくる感じですね。

ですね。

これまでは毎日仕事で踊って休みでも趣味がダンスだから踊るっていうダンス漬けの生活だったのが、本当にこの1年くらいで変わったんですよ。

それは自分的にはいい方向に変わってて、前まではこの人がこれやってるとかこういうダンスしてるとか、気にしてないつもりがやっぱり気になってた。

負けたくないから人より踊るし仕事するし、何でもできる自分じゃないと嫌だっていう思いがあったんだと思います。

今はその気持ちがなくなって楽にダンスができるようになったんですよね。落ち着いたというか笑

ー更なる高みというか、それがKANATAさんの3rdステージなんですかね笑

なんかもう仏って感じです笑

だから今は自分自分って感じじゃなくて、アカデミーを作って生徒を育てるっていうのがメインになってきたんです。

ー「0477Academy」ですね。 どんな内容なんでしょう?

アカデミーは去年(2022)の9月からスタートして、カナみたいになりたい25人の女の子をオーデションで選んで1年間みっちり教えてます。

内容的には普通のレッスンじゃ教えないことをやってて、
例えばバックダンサーの現場に入った時にまず何をしないといけないかとか、何が必要とされるのかとか、
お仕事をする上で本当に必要な知識を教えてます。

あとはカナが教えられないこと、例えばSNSの使い方とかは外部の講師の方を呼んでレクチャーしてもらったりもしてますね。

ー超実践的ですごいですね。
実際そういうレッスンってあまりないと思うんですが。。

本当にないですね。

でもそれは前から疑問に思ってて、今ってスタジオのレッスンは沢山あるけどそこで学べるのはダンスのスキルだけで、
仕事をもらえた後に必要なことを学べるレッスンってないんですよね。

19歳でカナが経験したような不安を少しでも無くしてあげられるような知識を、みんなに教えてあげたいなって思ってます。

【0477Academyのレッスン風景】

ーアカデミーで教えてる内容もそうですが、ざっくりどんな力がプロダンサーには必要なんでしょう?

一言で言うと「自己プロデュース力」ですね。

自分はどういう人間なのかっていうのを理解して、どうやって自分の強みをアピールできるかっていうのは、
お仕事に繋げる意味でもまた現場に入った時にも大事だと思いますね。

ーなるほど。それは個人個人違うものだと思うんですがどうやって教えてるんでしょう?

以前Akihiroさんっていうダンサーの方に外部講師をしてもらった時に、 みんな同じ振り付けなんですけど、自分のいい所を考えてそれを表現するように踊ってみてっていうレッスンをしてたんです。

カッコいい、可愛い、セクシー、元気、静か、本当になんでもいいけど自分がこう見られたいっていうのを思いながら踊ってみようって。
それは私自身すごく勉強になりましたね。

ーなるほど。KANATAさんのコピーをするんじゃなくてその振りで自分を表現してみようってことですね。
0477Academyでは最終的な卒業制作みたいなのもあるんですか?

映像で何か作品を残したいなとは思ってますね。

あとは何かカナの発表の場があれば、何人か選抜して出てもらったりとかもしたいですね。

ーまた第二期生も募集する感じでしょうか?

多分今年(2023)の夏に二期生を募集するので、私のインスタをフォローしてチェックして欲しいですね。

本当にどこもやってない活動で、カナみたいなお仕事をしたい!っていう人は是非来てもらえたら嬉しいです。

それまでにも普段のレッスンやWSなどに来てもらってアピールしてもらえたら、あの時の子だってなると思うので普段のレッスンも是非受けに来てください!

ー本日は沢山お話し頂きありがとうございました!
これを見て興味を持った人は是非受けてみてください!