Momo koyama
Momo koyama
Crew-Ea
Produce-Cupcakes/
Blue/Newer
Genre-Hiphop
高校卒業後、19歳でLAに単身渡米。
現地でダンス専攻の大学に入学しながら、スタジオにも通い詰め、様々なジャンルを習得。
帰国後は、アメリカで鍛えたGrooveとジャンルレスなスタイルで、
国内外問わず振り付け、バトル、ショー、ジャッジ、ワークショップなどで活躍。
現在は日本を拠点に、年内の半分は海外での仕事で飛び回ると共に、
EaやCupcakesなどのチームをプロデュースすMomo koyamaさん。
今回のインタビューでは、アメリカ行きを決意した経緯から、ダンスとの出会い、そして世界を飛び回る現在の活躍に至るまで、
Momoさんのダンス人生を総括してお話を伺いました。
『音楽とダンスはベストパートナー』
ー今回REELで踊っていただきありがとうございました! 日頃から踊る時に意識していることはありますか?
ありがとうございました!
音楽を表現することは常に意識してますね。
昔先生から「ミュージックはファーストティーチャー」ということをよく言われていて、
まずは音楽が最初にあって、次にダンスがある。
なのでまずはちゃんと音を聞いて、それによって踊り方や表現を変えられるようにしてますね。
ーなるほど。となると音の聴き方も大事になってくると思いますが、どんなことを意識していますか?
まずリリック(歌詞)があれば、そこにある意味などは最初に理解するようにしてます。
あとはベースやスネアなど楽器の音やそのメロディーが、スパイスとしてあるイメージで聞くようにしてますね。
それをダンスに落とし込むときは、リリックの部分は表情で魅せることが多くて、メロディーは身体を使って表現するように使い分けてます。
ーダンスナウのフォロワーさんでも踊ってる時の表情に悩んでる人が多くて、リリックを素直に表情で表すのは分かりやすくていいですね。
リリックのある曲は表情が大事ですね。
ダンサーがすごいのは顔でも表現できるし、音は身体で表現できるところです。
やっぱり視覚は一番強く人に伝えられる部分なので、音楽とダンスはベストパートナーだと思います!
ーちなみに今回(REEL)の曲はインストゥルメンタル(歌のない、楽器だけで演奏された曲)で、表情は意識せず踊ってもらいました。
インストが本当に好きなんですよ。
歌詞がない分それだけ自由なので、その予測できない並びにすごく興奮しますね笑
あと今回の企画をいただいた時に、スポットでダークってきたらそこはインストだなって直感的に思いました。
ーMomoさんの雰囲気にもハマってて最高でした笑 今回の見所はどんなところでしょう?
今回の曲はベースとスネアとブレスが入ってくるんですが、ずっと全部がONの状態ではなくて、それぞれのbetween(間)が必ずあるんです。
そこを埋められるのもダンスという視覚表現の強みなので、そのbetweenに注目して見て欲しいですね。
『きっかけはハイスクールミュージカル』
ーここからはMomoさんの過去を聞いていきたいです。 そもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?
19歳の時で、アメリカに行ってからですね。
ーアメリカに行ったきっかけはありますか?
元々幼稚園の先生になろうとしてて日本の大学も決まってたんですけど、
親戚の外国人の知り合いが春休み何するの?って話から絶対アメリカに行きな!って言われて笑
で元々ハイスクールミュージカルが好きだったり2週間の休みもあったので、じゃあ行ってみるかって思って行ったんです。
ーさすがの行動力ですね笑 実際行ってみてどうでしたか?
行ったらもうとにかく衝撃でした笑
そこにいるだけでいろんな国の言葉が聞こえてきて、世界中を旅してる気分になったんです。
全てが新鮮で、もっと英語を勉強して自分の知らない文化と国を全部知りたいと思いました。
それで2週間して帰ってきてから親を説得して急遽アメリカに留学することに決めたんです笑
ーそれほど衝撃がすごかったんですね笑 場所はどこだったんですか?
ハイスクールミュージカルのロケ地でもあるLAですね。
ーロスってことはハリウッド!
そうです!
最初は語学学校に入って、それでアフタースクール何するの?ってなった時に、友達がダンスしにいくよって言って。
それでハイスクールミュージカル大好きなんだって伝えたら、その練習場所近くにあるよ!って言われて、
実際について行ったら映画で使ってたスタジオがそこにあったんです!
それでやるしかないと思ってダンススタジオに通い始めました。
ー憧れの場所が目の前に!そしたら最初はミュージカルを踊ってた感じですか?
そうですね!コンテンポラリーとかジャズとかをやってました。
それで1年半語学学校に通ったんですが、結局みんな第一言語が英語じゃないのでペラペラにはなれないんですよね。
だから絶対現地の大学には行きたかった。
それでダンスをちゃんと学びたいとも思ってたんで、ダンス科のある大学に20歳から通い始めました。
ーじゃあそこでストリートダンスを?
いや、そこではHIPHOPとかはなくて、ジャズ、モダン、バレエ、コンテンポラリーなどを教わって、
あとは基礎教養的な感じで数学音楽国語など本当に学校っていう感じでした。
日本で言うENとかNOAみたいなメジャーなダンススタジオがあって、
学校とは別にそこにも通って、1日5クラスくらい毎日受けてましたね笑
ー体力が凄まじいです笑 その時に受けてたのはどんなジャンルですか?
LAスタイルみたいな、綺麗なコレオクラスから、JAZZ FUNK、HIPHOPがメインでした。
HIPHOPにハマったのはSho Tymeのクラスを受けてからですね。
あとその後Brooklyn Terryに出会ってHOUSEにハマって、Slim BoogieからPOPPINGを習ったり。
ーすごい豪華なメンツ!大学は何年間いたんですか?
大学は2年半だったので、アメリカはトータル4年半いましたね。
でビザの関係もあって23歳くらいで日本に帰ってきました。
『日本でのカルチャーショックと世界を飛び回る生活』
ー日本に帰国する頃にはダンサーとしてやっていこうと思ってたんですか?
全然ですね笑
向こうではただただ好きなことをやってただけで、アメリカではレッスンもしたことなかったです。
ーなるほど笑 帰国後初めて日本のダンスシーンに触れてみてどうでした?
日本の人はみんな忙しすぎてびっくりしました笑
アメリカはレッスンが終わった後、みんなでチルして誰かのホームパーティーに行ったり、レッスン前後のコミュニケーションがすごくあるんです。
でも日本だとどこのスタジオに行っても、現地集合現地解散みたいな感じで、それが一番のカルチャーショックでしたね笑
ー確かにそれはショッキング笑
ほんとに日本の感じがフィットしないし、友達やツテもないしどうしようかなって感じでした笑
そしたらちょうどオーストラリアの友達から連絡がきて遊びに来ないって言われたんで、
ノリで3ヶ月オーストラリアに行ったんです笑
でたまたま向こうのスタジオの人からレギュラークラスやってよって言ってもらって、初めてレッスンを持てたんです。
そこでコレオの作り方や、教え方、自分に合う音楽などを学びましたね。
ーまずはオーストラリアからだったんですね笑
その後日本に帰ってきたら、次は中国の人から連絡がきて中国でもWSをするようになりました。
ありがたいことに渡航費を出してもらえたんで、ビザの申請がいらない2週間を目安に中国でレッスンして、
日本に帰ってサブクラスのレッスンを少しして、また中国行くみたいな往復を3、4ヶ月くらいしてたんです笑
ー早くも飛び回ってますね笑 日本でレギュラークラスが始まったのはいつ頃なんですか?
24歳くらいで、アメリカで知り合ったPURIさんから連絡を頂いて、
Enが新しくスタジオをオープンするタイミングで、レギュラーをやらないかって誘って頂いたんです。
その後YOSHIKIさんが存在を知ってくれて、GKKJでショーを出してもらったり、少しづつ日本での繋がりを増やしていった感じですね。
ーその頃は海外にも行ってましたか?
ずっと行ってましたね。
中国は毎月行ってて、ヨーロッパも友達にダンスキャンプに誘われて2017年から行き始めました。
なので2017〜19年は日本に1ヶ月もいたことなかったです笑
ー地球が拠点って感じですね笑 2019年までってことはやっぱりコロナですか?
ですね。
その前から生徒も増えてきて、Eaというチームも組んで、日本でも活動的になってたんですけど、
コロナが来て本気で日本にコミットしよう!ってマインドに変わりましたね。
ー当初レッスンの雰囲気の違いにショックを受けたというお話しでしたが、
そこでは日本のスタイルに合わせたのか、それとも海外のスタイルを逆輸入的に持ち込んだのかどちらでしょう?
後者ですね。私のレッスンを受けてくれた人はわかると思いますけど、レッスンの後にめっちゃ話します笑
特に地方のWSとかは終わった後30分くらいは時間を作ってますね。
海外のレッスンに比べて、日本では中々みんな質問してくれないんですけど、こっちが開いていけば向こうも寄り添ってくるのがわかったので、まずは自分から話すようにしてます。
あとはチームやコミュニティーでは、マインドセットやシェアしたいことをちゃんと話すようにしてます。
日本でこの子たちと長くやるって決めた時に、自分という人間を知ってもらうことはすごく大事ですし、
向こうの意見などもちゃんと汲み取って、ダンス以外でもちゃんと時間を過ごそうってなりましたね。
ーその後の海外だと去年の「Street Dance of China」が久しぶりですかね?
※『這!就是街舞(Street Dance of China)』
ストリートダンスのバトル番組で2018年に放送がスタートし、昨年でシーズン4を迎え、中国ダンスブームの火付け役となる。
国を越えて、言語を越えて一つの作品を作り上げ、発表するという緊迫感と達成感が魅力の大人気番組。
日本からの参加ダンサーの数は約20人と一番多く、スキルの高さ、勢いのある表現などが評価されている。
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ですね。本当に直前までいけるかいけないかってギリギリの感じで、PCR検査も沢山やって準備はすごく大変でした笑
その後も行けたはいいんですが、着いた前日に中国の法律が変わって、隔離が10日だったのに25日になって、ホテルに篭ってましたね笑
最初は3ヶ月間って話だったんですけど、4月に飛んで帰ってきたのは去年の12月でした。
結果8ヶ月も向こうにいて、周りの人にも今年帰れるかわからないって伝えてました笑
ーそれはメンタルきつそうです笑
メンタルはまじで鍛えられましたね笑
でも周りのメンバーが本当に最高でそこは救いでした。
日本人だとKELOさんやIBUKIちゃん、Hilty & Boschのお二人やGogo Brothersさん、Kenken君など素晴らしいメンツで、
チームもHilty & Boschさん含め、全員がストリートダンスのチームでした。
その中で作品を作って全員がチームのために動いて、結果優勝をすることができたので本当にいい経験ができましたね。
ー世界のトップダンサーが集まる中で優勝。すごいです。
本当に学びだらけでした。
これまで他のジャンルの人と作品を作ったことがなかったので、作品の作り方やリーチ力はすごく変わりましたね。
あとはソロショーやバトルとか普段やらないことにも沢山挑戦できて、NELSONやIBUKIちゃん、Poppin’Cとか全員世界チャンピオンみたいなメンツとバトルしたり、
絶対に経験できないような時間を過ごせました笑
とにかく色んな国の人がいる現場だったのでダンスっていう一つのコミュニケーションの強さっていうのは誇りに思いましたし、
本当にダンスやってて良かったなって思いましたね。
『知らない土地に行って本当の自分に気づける』
ー現在は徐々に海外での活動が戻ってきた感じでしょうか?
そうですね。今は海外の振り付けやWSのお仕事がメインで、
日本ではEaというチームに所属してるのと、
ProduceとしてCupcakes、Newer、
またトレーニングクルーとしてBlueを結成していて、定期的にトレーニングをして、ショーケースやバトル、コンテストに出ています!
後はショーのコレオとかが主な活動ですね。
ーCupcakesなどキッズの育成もされてるんですね。
日本はキッズダンサー達が凄まじく上手いので、もっと世界に出して、海外のコンテストやダンスキャンプに出てつなげていけたらと思ってます。
ーやはり小さい頃から海外に挑戦することが大事なんでしょうか?
やっぱりずっと同じ場所にいると考え方はクローズになる気がします。
海外には「Uncomfortable Zone(心地の悪い場所)」っていう言葉があって、
そういう場所にいないと知らない自分に出会えないし、その機会を作るためには海外に行くのがいいと思いますね。
ーなるほど。Momoさんのようにワールドワイドで活躍するにはどんな力が必要なんでしょう?
とにかく行動力。あとは自分を知ることですね!
やっぱり自分自身を知ってないと人にリーチはできないと思ってて、特に日本人は自分を表そうとしない人が多いと思います。
私は海外に旅をして、こんな自分がいるんだって知って今があるので、そういう挫折も含めての自分だと思うんです。
海外で活躍するには、自分の意見をしっかり持って、好きなこと嫌なことをはっきり言うコミュニケーションがすごく大事だと思います。
ーなるほど。自分の好き嫌いやスタイルが定まってないと、海外でコミュニケーションができないからと、日本に留まってしまうと思うんです。
でもまずは海外に行って、他の価値観に触れることで差異が見えて自分を知ることができる。
だから挫折覚悟でまずは海外で揉まれてみる心持ちと行動力が大事だと思いました。
そうですね。自分の知ってるとこにいても知ってる自分にしか出会えないです。
だからこそ知らない土地や知らない人に出会って、その時の自分を知ることで、本当の自分に気づけるんだと思います。
ー最後に今後のこともお聞きしたいです。 既に世界で活躍してるMomoさんが目指す次のステージはなんでしょう?
ずっと思ってるのは、日本で海外のダンサーもミックスして、ダンサーだけのショーやツアーをやりたいです。
シルク・ドゥ・ソレイユみたいな感じですね。
ー世界中のコネクションがあるMomoさんならではですね。
もう自分の中でこの人とこの人がコラボしたらやばいっていうのが想像できるんです笑
なので今は海外のダンサーと沢山繋がって、日本に来てもらう機会をどんどん増やしていきたいです。
私はダンサーが全員好きなので、コレオやバトルなどシーンを分けずに全部を繋げたい。
その為にも自分がツールになって色んなダンサーをディープに伝えていきたいですね!