Zabu
-Funkyshit
-Team Black Starz
-Locking
-New Style Hustle

2003年からダンスを始め、2011年に単身渡米。
本場NYでTap, Hip Hop, House, Pop, New Style Hustle等様々なスタイルのダンスを学ぶ。

帰国後は都内を中心にダンスレッスンや振り付けを行う他、
「New Style Hustle」という昔ながらのペアダンスにストリートダンスの要素を加えた踊りを学び、日本にてパーティーやレッスン等を企画しながらその普及活動を行う。

またチームとしては、相方Goと組んだチーム「Funkyshit」ではJAPAN DANCE DELIGHT FINALに出場するなど、コンテストにおいても上位成績を残す。
さらにサラリーマンエンターテイメント集団「Team Black Starz」の一員として
パフォーマンス活動を行う他、イベントのプロデュース活動にも力を注ぐ。

今回はそんなZabuさんのダンス哲学や人生の転換点を伺いながら、Zabuさんというダンサーが形成されていった過程に迫る。
さらに今年9月に控えるFunkyshitの自主公演についてもじっくりお話を伺った。

『誰かが踊っている時は、その踊りをしっかり見て受け止める

ー今回REELで踊っていただきありがとうございました!
踊る時に意識してることや大事にしてることはありますか?

僕が踊るときは、普段のコミュニケーションでもそうなんですけど、
誰かが踊っているときは、その踊りをしっかり見て受け止めるということは大事にしてますね。

-ダンスで会話をするという感じなんですかね。もう少し具体的なイメージで言うるとどういうことになるんでしょう?

例えば、サイファーとかセッションのときに輪っかができて、 誰かが踊っているときをイメージしてほしいんですけれども、
他の人を見てみると、誰かが踊っているときに下を向いていたりとか横を向いていたりとか、自分の動きを確認しているって、よくあったりとすると思うんです。

もちろん自分もそういうことがあるんですけれども、でもそれは相手が喋っているのに聞いていないという状態だと思うので、そのときに自分は、「あっいけない、いけない。この人が喋っているんだ」というふうに意識するようにしてて、本当にそれが結構大事かなと思います。

-なるほど。確かに人に伝えたいならまず自分がその姿勢にならないといけないですもんね。
今回のダンス(REEL)についてもお伺いしたいのですが、まず選曲について選んだ基準など教えていただきたいです。

今回は45「Expansions」という曲で踊らせていただきました。

渋さの中にじわーっと情熱がある感じで、その雰囲気や匂いを出したいと思って踊りました。

-今回の踊りの中で、こういうとこを観てほしいなど見所があれば教えて頂きたいです。

見所は動画で着ているスーツなんですけども、実は僕のマイメンでダンサーでもあるYuugoが、SIRSTAND Tailor (サースタンドテーラー)というスーツ事業を始めるということで、ゼロからセミオーダーメイドでこのスーツを作ってもらったんです。

すごいかっこいいスーツを着させてもらって、それで踊ると自分の姿勢や気持ちも変わるので、 このスーツを身にまとった時に出てるものを感じ取ってもらって、いいなって思ってもらえたら嬉しいです。

-裏地までカッコいい気合の入ったスーツですね!
踊りの面で意識したこともあればお聞きしたいです。

自分は人から「シルエットが綺麗だよね」とよく言ってもらえるんですけど、もしかしたらそういうのを無意識に気にするようにしてるかもしれないですね。

あとは生音の音楽を聴いて踊る時みたいに、自分自身もダンスで演奏をしてるような感覚を意識するようにしてるので、奏でてるような雰囲気を感じていただけたらすごい嬉しいです。

『ダンスを始めたきっかけ、LOCKINGとの出会い

ーここからはZabuさんのダンス人生にフォーカスしてお話を伺いたいのですが、
まずはご自身の中でここで踊り方や価値観が変わったという、3つの転換点を教えて頂きたいです。

一つ目は、ダンスサークルWUBでダンス仲間達と出会ったこと

二つ目は、大学を卒業して会社員になったんですが、1年で会社を辞めてNYに行ったことですね。

三つ目は、大学時代のダンス仲間のGo君とまた踊るようになって、改めてFunkyshitとして活動するようになったことですね。

ーありがとうございます。その3つを軸に質問していきますね。
まずはそもそもダンスを始めたのはいつ頃ですか?

高校生からですね。

2歳上の兄がいて、彼がダンスを始めたのが先だったんです。

当時僕はバスケットボールをやっていたんですが、兄がダンスをやっていてすごくかっこいいなと思ってたんです。

それで高校を見学に行くときにダンス部があるところを見に行って、そのダンス部の発表を見て、やりたい!と思って、高校から始めた感じですね。

-高校のダンス部に入って、ジャンルなどは何をされてたんでしょう?

先輩が教えてくれるみたいな感じで、色々なジャンルを複合してやってた感じですね。

でも最初はブレイクダンスのウィンドミルができるようになりたくて、結構練習してました。

それでなんとなく回れるようになった時に、僕はリズムというか、もっと音楽にノるようなダンスがやってみたいなと思うようになったんです。

-そこが今のメインでもあるLOCKに向かうタイミングなんですかね?

そうですね。高校2年生くらいですかね。

その時たまたま同じ部活の仲間からOLD SCHOOL NIGHTのVHSを借りて、そこでHilty&Bosch VS GOGO BROTHERSのバトルを見て、 「すごい!LOCKINGってこんな格好いいんだ!」って思ったんです。

それからは朝早く起きて、そのバトルを観てテンションを上げてから自転車で、学校の練習場所にダッシュで行って、朝練習してチャイムと同時に教室に駆け込むみたいなのをやってたりしました。

ダンス人生の転換点①『ダンスサークルW.U.Bでの出会い

-W.U.Bは早稲田のダンスサークルでしたっけ?

そうです。Waseda University Breakerzですね。
僕は中央大学生だったんですが、インカレということで入れたんですよね。

-WUBで仲間達と出会ったと。

そこで出会った仲間たちの1人が僕の今のチームメイトのGo君で、BIG BANGとかのコンテストに一緒に出てましたね。

あとはPOPとLOCKのメンバーで「TOMATEEBOO」っていうチームを組んで、
今でいうBUZZ STYLEとかに挑戦したり、色んなコンテストに出て当時はいい結果が出たりしたんです。

-ダンスで切磋琢磨することで仲間ができていったんですね。

そうですね。

あとは本当に踊ることが楽しくて、自分が楽しみながらやっていれば、こんな風に結果がついてくることがあるんだなと感じれたことは、自分の中で大きな変化でしたね。

DSC03501

ダンス人生の転換点②『会社員を辞めてダンサーに

-卒業後はダンサーではなく会社員になられてますよね。
当時の心境はどういった感じだったんでしょう?

ダンサーというのも候補としてはあった感じでしたね。
大学生の時にレッスンとかもさせてもらってたので、これでいけるのかな?みたいなのは思ってました。

ただ好きなことを仕事にしたら嫌いになっちゃうのかもって結構悩んでて、結果会社員になった感じでしたね。

-実際会社員になって、やっぱり違うなと?

そうですね。特に自分の仕事は週末が休みじゃなくて、配属されたのも群馬だったんです。

なので東京にいる人達と会えない状況が続いて、無理やり練習しても全然身に入らないし、毎日毎日踊りも下手になっていくし、ちょっと太っていくし、これやべえなって。

あと仕事がうまくいかない時とかも、やりたいことじゃないことだと自分の中で言い訳が出てきちゃったりして、なにやってるんだろうっていう焦燥感がありましたね。

-1年で会社を辞めたときは、ダンサーとして食べていけそうな道が見えていたんでしょうか?

全然見えてなかったですね。

ただ辞めたら最初は福岡に行こうと思ってました。

僕の先生は何人かいらっしゃるんですけど、 その中の大きな存在としてGOGO Brothersのお二人が福岡に住んでいたんです。

そこに行ってバイトしながら習ってっていうようなのは考えてました。

-そうなんですね。でもNYに行ったんですよね?笑

そうです笑

ダンスでやっていきたいっていうのを自分の両親に説明した時に、「ダンスやるんだったら、ニューヨークが本場なんじゃないの?」ってうちの父が言ってくれて、 そのときに仕事の関係で父はニューヨークにいたんです。

住む場所は大丈夫だから来れば?っていう感じで、本当に感謝ですね。

-それはラッキーでしたね。ニューヨークではどんな生活をしていたんでしょう?

いろんなスタジオに行って、有名なダンサーのレッスンを沢山受けたり、セッションに顔を出したりしてましたね。

あとはそこで出会ったのがNew Style Hustleというペアダンスだったので、そこから僕のペアダンス人生が始まって、
2012年に帰国後〜現在に至るまでも、日本国内でこのペアダンスの普及活動を続けています。

-ニューヨークに行く前と後で価値観が変わったりもしましたか?

そもそも会社員を辞めたことによって、上司とか部下の関係性がない世界になってくるので、すごい人に対してフラットに接することができるようになりましたね。

ニューヨークに行ったことでそれがさらに加速したなと思います。

肩書とかじゃなくて、あなたは何ができる人で、 あなたはどんな人なんですかというところで話ができるので、師弟関係、上下関係みたいなところからちょっと、離れた見方ができるようになったというのはでかいかなという風に思います。

-帰国後はどんな活動をしていたんでしょう?

帰ってきたら東京でナンバーという文化ができてて、びっくりしました笑

ナンバーを出したり、パフォーマンス/レッスン/振付といったお仕事を主にやっていました。

最近は「ストーリーテラー」という、MCとパフォーマンスの間のような役割のお仕事の依頼を頂き、緊張しつつもとても楽しみにしております。“Yokohama Party”

DSC03526

ダンス人生の転換点③『相方GoとFunkyShitを再結成

-Goさんとはずっと一緒に踊ってらっしゃるイメージでしたが、最近になってだったんですね。

そうですね。

大学を卒業してアメリカに行って、しばらく僕は彼と一緒に踊る機会がなくて、帰国後も僕がたまに誘ってたりしたんですけど、色々ありまして、、中々一緒に踊ることができませんでした。

-具体的にまた一緒に踊り始めるきっかけがあったんでしょうか?

2020年のコロナに入った時ですね。

みんながいろんなことをオンラインでやっていて、 僕は彼のやっているところに顔を出したり、それで彼も僕のオンラインに顔を出して、フィジカルで会えないけどオンラインでやりとりをし始めたんです。

その後コロナが落ち着いてきて、彼が練習会を始めるというんでそれに行って、そこから一緒にセッションをするようになりました。

-そうだったんですね。

そんな年の終わりに、僕の誕生日は12月なんですけど、 Go君から「誕生日おめでとう。これまで中々機会作れずに申し訳ない。もしよかったら今度のDELIGHTに一緒に挑戦しないか?」という風に言ってもらったんです。

僕はもう、はぁ〜みたいな笑 こんな誕生日プレゼントないくらい嬉しいみたいな感じで一緒にやろうってなったんですよね。

-なんか青春が戻ってきた感じがしますね笑

その時にやった作品というのが、 僕たちが大学2年生の時にBIG BANGでやった作品をベースにしてて、当時からFunkyshitというチーム名前で出てたんでそのまま使ったんです。

そうしたら4位に入賞してファイナルに行くことができたんですよ。

彼と踊るのはやっぱり終始幸せだなって思いましたね。

-Zabuさんの思うGoさんのいいところはどんなところでしょう?

彼のいいところは、気になったものに対してまっしぐらに飛び込んでいけるところ、その集中力がすごくいいなと思います。

自分勝手になれる。できないことやりたくないことを、いい意味でやらないという判断を人よりもできる。

僕自身はそう言う感情をセーブしてしまう時があるので、もっと飛び出して勝手にやって、Go君も勝手にやって、どうよ?ってそれぞれが収穫してきたもをアウトプットをするみたいな関係性もありなんじゃないか、というふうに結構最近は思いますね。

-チームとしてはいいバランス感な気もしますね。
ダンスや作品作りに関してはどうでしょう?

僕ら2人の間では「辞書が揃う」という表現をするのですが、どちらか一方が何かアイディアを出した際に、引っかかることなく理解し合える事が多くなってきているんです。

口で説明するのが難しい感覚の共有ができると、作品作りがとてもスムーズに進みます。

あとは、もう付き合いが非常に長いので、お互いコミュニケーションだったり、踊りに対して哲学してるところもあるので、 二人で踊るってなった時によく言われるのが、 対話をしているようなショーケースっていうのがすごく好きって言ってもらえることが多いです。

ライブ感、その場でしか出ないであろう、お互いをちゃんと見合ってコミュニケーションを取っている踊りっていうのが、 僕たちのパフォーマンスの魅力なんじゃないかなと思いますね。

そういう意味でも、これはなかなか唯一無二な相方だなというふうに思います。

『9月に控えるFunkyShitの自主公演とは?

-夏にはFunkyshitの自主公演が控えてますよね。
これも何かきっかけがあったんでしょうか?

そうですね。2023年の9月30日に湘南台のCHACARA(シャカラ)という箱で、『TIME』というFunkyshitの自主公演を開催予定です。

具体的なきっかけはないんですが、漠然といつかやりたいなとは思ってたんです。
ただそれだといつまで経ってもやらないと思ったので、じわじわ考え始めて、インスタのアカウントを作って企画会議をインスタライブでしたりして、
形をどんどん作って現実感を増していくことによって、ちょっとずつギアも上がっていったという感じですね。

-特に明確な表現したいことがあったわけではないんですかね?

これは食事と排泄によく例えるんですけど、食べているものが排泄として出てくるわけじゃないですか。
Go君と僕は普段から食べているものがちょっと似てたりするので、自主公演というものがそれの排泄=アウトプットだとしたら、それはもう見えていて、自主公演のために何かを作るというよりかは、もう溜まっていてそれをどう出すかみたいな。

それならその出し方として自主公演をやってみようかみたいな感じですね。

やっぱりインプットが不十分な状態でアウトプットだけしていくと空っぽなものになると思うので、従分溜まったしそろそろ出し時だなって。

-面白いです。その時が来たっていう感じなんですね。
公演のタイトルは『TIME』ということですが、これにはどんな意味を込めているのでしょうか?

色んな意味がかかってますね。

シンプルにお互い出会ってからの時間を意味したタイムや、ミュージシャンの方などはリズム感覚をタイム感みたいにいうので音楽にもかかってたり、 ワンタイム、ツータイムっていう回数とか、タイムステップっていうタップのステップとかもあったりするんですよ。

僕たちのやってることを全部組み込むと、TIMEっていう単語がちょうどいいなって感じたんです。

-なるほど。公演の内容などもざっくり決まってきているんでしょうか?

結構いろんなアプローチを取り入れたいなと思ってます。

過去に自分たちが何度もやってきた作品や、New Style Hustle、あとはミュージシャンの方とのセッションの時間があったり、
映像作品を流してみたり、 シリアスなもの、コミカルなもの、シュールなものなどをグッと入れながら、でもお客さんのことは置いてけぼりにしない、たまにするぐらいの感じの公演にしようかなと思っています。

-Funkyshitとそれぞれの魅力が詰まってそうですね。
今わかる範囲で、見所などもあれば伺いたいです。

JAPAN DANCE DELIGHT の作品は踊りますね。
これはもうみんなが知ってるから踊らないんじゃなくて、知ってるからこそもう一回踊ろうと思って。

あとは、New Style Hustleに関しては、 ショッカーがピンクレンジャーに恋をしてるっていう作品があるんですけど、これは僕の7年前にやった自主公演でやった作品で、それの続編もやろうかなと思ってます。

あとは自主公演の中で、なぜか子供たちに人気だった「ビーフシチュー」という作品がありました。
絵描きの兄が描いてくれた天秤画の僕の顔がパクパク喋ってるところに、通りすがりのムカつく顔したニートとか、謎のセクシーな団地妻とかがガヤを入れてきて、
「やめろやめろ、なんだお前ら」と追いかけ回ってぐるぐるってなっている間に、3人がビーフシチューになってしまうっていう、言葉で言っても絶対理解してもらえない映像作品とかもあったりするかなと。

-世界観が凄まじいですね笑
どんな人に来てほしいとかもあったりしますか?

ダンサーの仲間やライブもあるんで音楽好きなどはもちろんなんですけど、 小さい子が観て、わあ楽しいとか思ってもらえたら嬉しいと思うし、
ダンスを踊ったことがない人とかも見に来て、楽しかったなって言ってもらえるようなものにしたいと思ってますね。

-情報解禁などはインスタですかね?

そうですね。気になる方はFunkyshitのインスタがあって、そちらで制作過程を順次公開中です。

チケットなどの情報は6月以降になると思うんですが、是非フォローして楽しみに待ってて頂けると嬉しいですね。

-まずはフォローして頂いて、二人の世界観に徐々に入っていってもらえるといいですね。
Zabuさん本日はありがとうございました!

ありがとうございました!