ダンサーネーム:kooouya

チーム:GANMI

ジャンル:CHOREOGRAPHY

2021年BTS「Butter」の振付制作に参加し、世界から注目を集めるダンスアーティストクルー“GANMI”
その名前はダンサーなら一度は耳にしたことがあるだろう。

数々のアーティストの振付・ライブ演出、TVやCM出演などに加え、
ダンサーが主体となって、アーティストとコラボレーションし楽曲を作り上げていく「CHOREO MUSIC」
クラウドファンディングを活用した、全国47都道府県での無料ライブ計画 など、
常に時代を先取りしダンサーの新たなスタイルを確立する。

今回はそのGANMIのメンバーであり、個人においても高いクリエイティビティを発揮するkooouyaさんに話を伺った。

アンダー、オーバーに関わらずあらゆることに好奇心を持つ柔軟性と行動力、
どんな表現ジャンルにおいても変幻自在に自身を投影するセンスは、シーンや多くのプロダンサーからも支持を集めている。

このインタビューではそんなkoooyaのダンスとの出会いからGANMIへの参加から活躍に至った経緯、
そして自身の表現活動とその根底にある考え方など、さまざまな角度から人物像を深掘っていく。

ー今回REELで踊っていただきありがとうございます。
日頃から踊る時に意識してることはありますか?

ありがとうございました。
踊る時は、音のキャッチの仕方や歌詞の取り方はいつも意識してますね。

今回の曲で言えば、「clubでparty」っていうリリックでシャンパンを開ける動作をしたり、
「pain、pain、pain」っていうとこでは手で銃を作って体に落とし込んで痛みを表現したり、
歌詞に関連付けて振りを考えることが多いです。

ーどういったところから影響を受けているんでしょうか?

海外のダンサーさんがすごく好きで、特にKeonebrianpusposはリリックに対してのアプローチが面白くて影響を受けてます。

以前LAに行った時に現地のダンサーが“CHOREOGRAPHY”っていうジャンルでレッスンをしていて、
それがカッコ良くて僕も自分のジャンルをCHOREOGRAPHYって呼ぶようになりました。

ー過去から色々お聞きしたいんですが、
ダンスを始めたのはいつ頃ですか?

小学4年生の時で、最初はゴリさんと岡村さんのダンスバトルをテレビで見てかっこいい!と思ったのがきっかけで、
独学でヘッドスピンを練習し始めました笑

それで親にヘッドスピンができたらダンススクールに通わせてあげるって言われて、
なんとかヘッドスピンができるようになってスクールに行ったら、HIPHOPのクラスだったんです。

ーBREAKではなくHIPHOPだったんですね笑

当時はジャンルも知らなかったんで、これを経て頭で回るんだなって思ってました笑

だから1年間BBOYに憧れてHIPHOPを続けてて、
周りのダンサーが上手くて僕も負けたくないと思って、結局BBOYにならずHIPHOPにハマっていきました笑

その後小学6年生から東京のNOAに通い始めて、
中高は地元の千葉からレッスンに行って、いろんなジャンルを受けてました。

ー海外のダンサーにはまったきっかけは何だったんでしょう?

中学生の時の先生が海外のダンサーが好きで、VIBE Dance Competition」の動画を見せてくれたんです。
それで完全にくらってしまって、それからずっとハマってます。

DSC00017

ーなるほど。
確かGANMI結成のきっかけもVIBEでしたよね?

そうですね。自分が18歳の時に「VIBE Dance Competition 2016」があって、それがGANMIで出た初めてのショーでした。

当時のGANMIのディレクターで、今はavexROYALBRATSのディレクターでもあるYuta Nakamura君のナンバーに出てて、
そのメンバーがVIBEに出るにあたってGANMIという名前になった感じです。

ー元々はYutaさんのナンバーだったんですね。

そうなんですよ。でも実はYuta君や今のGANMIのディレクターのSOTA君とは知り合いじゃなくて、
enでやってたbrianpusposのWSに行ってそこで知り合いました。

そこでGANMIのメンバーもみんなレッスンを受けてて、
その後にYuta君からDMで「今度ナンバーを作るんでよかったら出ませんか?」って誘われたのがきっかけでしたね。

GANMI | "MORNING" | VIBE XXI 2016

ー現在の主軸としてGANMIでやってる活動は何でしょう?

「CHOREO MUSIC」はGANMI独自の企画としてずっと動いてて、
アーティストの方と共同でオリジナルの楽曲を制作するプロジェクトですね。

ー発端は何だったんでしょう?

2018年からGANMIでダンスライブをやっているんですが、
著作権の問題があって楽曲が使いづらくて、
それを避けるために自分たちでオリジナルの曲を作り始めました。

今は15個以上楽曲が出来て、SIRUPさんやZINさんなど人気アーティストの方々にもご協力していただいてます。

やっぱり自分達で楽曲を作ると、テーマなどを1から考えるので、自分達のメッセージをより乗せやすく、表現の幅が広がりますね。
ダンサーも表現者であると思うので、楽曲から制作することでひとつ表現としてレベルアップするかなと思います。

ちょうど先週に「青春は水びたし」という新しいCHOREO MUSICも公開されたので是非見て欲しいです。
自分的見所は、GANMIの空気感です。
GANMIはダンス以前に空気感が揃っていると思っていて、
その空気感が協力、共演してくれた方達に伝播して、ひとつの作品になっています。
この青春感を是非みてほしいです!

【MV】青春は水びたし - GANMI | #CHOREOMUSIC | Supported by NSM

ー最近は作品集の販売もされてましたよね?

はい。7月から初のGANMI作品集として『CHOREOMUSIC COMPILATION 01』を販売してます。
CHOREOMUSICのMVやライブ映像が詰まったDVDとCDに加えて、メンバーのフォトブックもついてます。

僕達は作品集を販売できたらと結構前から考えていて、
作品が売れたら作るモチベーションにもなるし、そこから広がりも増えると思います。
ダンサーの新しい道として、作ったものが生活につながって作品を作り続けていけたらいいなと思ってます。

ー作品集を出せるということは本当にアーティストとしての地位を確立させていると思います。
ダンスチームが多くある中でどうしてここまでGANMIは突出する存在になれたと分析しますか?

GANMIはポップスが強いところが他のクルーにないとこだと思います。

こないだリーダーのSOTA君とも言ってたんですが、
Rht.(RIEHATAさんのチーム)さんはSWAGの感じ、s**t kingz(シットキングス)さんはコミカルさを武器に人気が出た。

一方でGANMIはJ-POPの要素が強くて、それを他にやってるところがいないので多くの方が注目してくれるのかなと思います。

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確かに、それぞれ見事に差別化されている気がします。
kooouyaさんの個人的な活動についても教えてください。

色々と名義があってざっくり言うと、

ダンサーとしての名前が「koouya」
絵や洋服のデザインをするアーティストとしての名前が「POOOL
あと元GANMIのメンバーでもあるYU-KIとやってるアートコレクティブが「F.A.D」と言う感じですね笑

ーYU-KIさんとの「F.A.D」ではこないだ音楽アルバムを配信されてましたよね?

そうですね。10月にF.A.Dナンバーで「Luxury Soul Night」というイベントでショーをやるんですけど、

それで10分の枠をもらったので何なら踊る曲を作っちゃおう!って話になって「BLEND」というアルバムを制作しました。

ークリエイティブ力がすごいですね笑
担当はどう分かれているんですか?

自分はトラックを作ってて、YU-KIはプロデュースを担当してます。
あとは友達のダンサーやラッパーを呼んで、16時間で一気に全7曲レコーディングしました笑

ーそれは楽しそうです笑
アルバムを通したテーマなどはあるんでしょうか?

僕とYU-KI二人の物語が交差して行くのをイメージしてて、曲も起承転結の順番になってます。

1曲目の起ノ章から始まって徐々に事が起こって、6曲目のtwist downで転じて、最後のFUNADEで締めなんですけど、
船出っていう次に繋がるよっていうこれからの展開も含ませてます。

ー本当に様々なジャンルを横断して表現活動をされていますが、
クリエイティブのインスピレーションはどこから来るんでしょうか?

ダンスをかっこよく魅せたいのが根底にあるかもしれません。
ダンスって服や音楽があってのものなので、それも自分でクリエイトできたら最高だなって思って、色々作ることにつながってると思います。
シンプルに作ることが楽しいですしね笑

あとはスケーターの友達が多かっりして、SUPREMEとかSTUSSYとかスケートをやる以外に服を作るのが当たり前じゃないですか。その影響はあるかもしれませんね。

だからダンサーが服や音楽を作るのが当たり前になってそれをみんなでシェアし合えたらいいなって思います。

ーkoouyaさんの活動が刺激になりそうですね。
最後に今後の展望があれば教えてください。

これは昔から思ってることで、ダンサーにファンがつく文化を作りたいっていうのが活動の根底にあって、
ダンサーも誰かのバックじゃなくて一アーティストとして、見てもらえるような活動をしていきたいです。

嬉しいことに徐々にそうやって活躍してる人が増えてきてるように感じてて、
僕自身も限界を決めずにいろんな可能性をこれからも広げていきたいですね。

ありがとうございました。
ダンサーの可能性を広げるご活躍を今後も楽しみにしています!